薬剤師は伝えたい!

今日から使える情報をあなたに。

【アスピリン】効果は用量と体重によって大きな差が出る!

おっす!オラ塩だよ!

 

最近ギターの音は無駄に歪ませるのではなくクリーントーンの響きを持たせた方が心地が良いと思う塩だよ!


でもこれって結局クランチってことだよね。ギター初めて10年になるけど一周回った感じ!

 

最近じゃなかなかギターもピアノも忙しくて触れていないなぁ。


余裕があれば教室なんかも通いたいんだけどそんなことをしている暇はないよね!

自己流でやっているからどんどん自分の悪い癖が染みついてしみついて、トホホ...

 

とか言っているとあっという間に老いて死にそうだからなんとかしないと....

って言っている間に老いていく。

 

ひひっ!がんばろ!

 

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さてさて今日は気になる論文の紹介だぁ。

 

みんな昔から大好き「アスピリン」の用量や体重でその効果に大きな差がでたってんだから驚きだぁ!


これはランセットで発表された内容で、忙しい人のために一言で言うと

 

「アスピリンの血管イベントやがんの抑制効果には、用量や患者の体重によって大きな差があり、良好な効果を得るには、より個別化された治療戦略が必要」

ってことだぜ!


しかしまぁ個別化された治療戦略が必要ってのは昔からみんな口を揃えて言っていることだけどもその内容が明確になったのは凄く大事な事だよね。
添付文書にも「必要に応じて適宜増減する」って書かれているよね。

 

いやー本当に魔法の言葉だ!「適宜増減」って言葉は!

アスピリンってどんな薬?

 

アスピリンってのはJanne da arcのeasy funky crazyの歌詞にも出てくるように、熱冷ましだ!って趣味もろだしの解説だけど、ごめんね!

 

解熱鎮痛剤ってカテゴリにたぶん入るんだけどその作用機序からすると低用量で使えばその抗血栓、抗血小板作用が発揮されて血をさらさらにする効果があるんだよ。


だから虚血性心疾患とか川崎病に使われているよ。この薬は薬価収載されてはや60年以上たつ薬だからね、なかなか歴史の深い薬なんだ。
あとはリウマチの治療にも使用されるよ!

 

さて、そんなアスピリンなんだけど、低用量ってのが一体どれくらいで低用量っていうのかあまり決着が付いていなかったんだよね。


だって体の大きい外国人が飲む量と、体の小さめな日本人が飲む量だと同じ低用量っていっても違いが出てくるのは当たり前だもんね。

 

そんな困ったところに今回の論文が出てきて、全例に同じ用量を一律に投与するone dose fits allアプローチっていう試験を行ったよ!っていう試験の結果がわかったんだ。
当たり前だけど、標準的な用量は体が大きい患者さんには少なすぎて、体の小さい患者さんには多すぎるっていうことが報告されたんだよ。

 

「え、当たり前じゃん」って思うかもしれないけど「なんとなく常識的にあたりまえでしょ?」っていうところから「こういう論文があるから当たり前なんだよ^ω^」って

言えるようになるのは大きな進歩だよね!すごい!

今回の論文はどういうことだったんだってばよ!

 

今回の論文はランセットから8/4に報告された論文で以下のサイトで読めるよ!PDFのダウンロードも出来るみたいだね。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)31133-4/abstract

 

じゃあざっくりと論文の概要を示すね!

 

どんな試験:無作為化対照比較試験、心血管イベントの1次予防におけるアスピリンの有用性を評価した
どんな患者(P):患者の体重を10kgごとに層別化した
何が(E)   :70kg未満の患者さんの低用量アスピリンによる血管イベントの予防効果は
何と比べて(C):70kg以上の患者さんのそれと比べて
何がよかった  :効果的だった

 

ちなみに今回使っている低用量アスピリンは75mg~100mgだってよ!
加えて、低用量ではなくて高用量アスピリンでは70kg以上の集団のみ有効だったんだって。


高用量は(300–325 mg or ≥500 mg) って書いてあるよ、かなり量の違いがあるよね。

 

でもびっくりだけど今回の試験で一番軽い人と一番重い人の差は4倍だったらしい。すごいよね

もっと細かく今回の論文はどういうことだったんだってばよ!

 

マニアックな人たちにもっと解説していくよ!


今回男性と女性がもちろん参加しているわけだけど、この男女によってもアスピリンの効き具合がかわってくるみたい。

 

とくに70kg以上の男性と女性では80%の男性が血管イベントに効果がなかったのに比べて女性では50%近くの女性が血管イベントに効果が無かったって事だから、女性の

ほうがそもそもアスピリンの効きが良いのかもしれないね。

 

それと、体重70kg以上の集団では、低用量アスピリンにより初回心血管イベントの死亡リスクが増加した(オッズ比[OR]:1.33、95%[CI]:1.08~1.64、p=0.0082)らしいか

ら、むしろ70kg以上の集団には低用量アスピリンのリスクが示されたんだね。

 

デブはアスピリン禁止!っていうことなのかもしれない。

 

加えてデブって事だけじゃなくて用量と身長にも類似の関連(pinteraction=0.0025)が認められたみたいだよ

 

ということでやっぱりガタイがいい人はアスピリン禁止!ってことになるのかもね。

 

アスピリンによる大腸がんの長期的なリスクの低減効果にも体重依存性が確認されたらしいんだけど体重が重い集団では効果がなくなってきてしまって、体重が軽い集団では

大腸癌リスクが下がったらしい。

 

あと当たり前かもしれないけど体重と用量の比で考慮すると用量が過剰な方が有害な作用が多くなることが示されたみたいで。突然死のリスクも体重が軽い集団では用量が多

くなるほどに増加して、低用量アスピリンの投与を受けた50kg以下の患者層は全死亡のリスクが増加したんだって(HR:1.52、95%CI:1.04~2.21、p=0.031)。

論文まとめ

 

いつもこういう論文を読むときには「なるほど~」っておもって読んでいたけど、やっぱり医療従事者たるもの「で、どうなの?」っていうところに目を向けないとダメだよ

ね!

 

だって、知識として持っていてもじゃあ実際に患者さんにはどうやって説明したらいいのかわからないし、医者とかに情報提供するときも「恐れがある」って言い方じゃ

困っちゃうよね。

 

今回の論文みたいに明確に体重によって区別されたデータが示されているとより現実的なアプローチが出来るようになるからすごく助かるよね。


でもアスピリンは昔から使われてきて有効性もたくさん示されてきている古き良き薬でもあるからむやみやたらに体重が重いから辞めましょうっていうのも考え物だよね。

 

個人的には「代替薬がある」ってことと、「血管イベントハイリスク」って患者さんが体重が70kg以上であれば低用量アスピリンの使用に関して今回の論文やデータを見

せても良いかもしれないっておもったよ。


ばいばいきーん!

 


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