【緩和ケア】麻薬による治療とそれ以外の治療について
ちわ!塩だよ!
去年はこの夏休み期間に旅行先で北朝鮮のミサイル注意報が鳴って死ぬかと思ったよ!
丁度バンガローで朝のひとときを過ごしているときの国民保護サイレンだったからもう人生の終わりだと思ったよ!
そんなこんなで昨日に引き続き緩和ケアのお勉強だぁ!
オピオイドスイッチングについて
分な鎮痛が得られない、眠気などの副作用のためにオピオイドの増量や継続ができないなどの理由から、オピオイドの種類を変更すること
•力価表に従って、現在のオピオイドと等力価の新しいオピオイドの投与量を求め、オピオイドを変更する
•経口モルヒネで60㎎/日以上の場合には、変更によって痛みや副作用が増強する恐れがあるので、20~30%ずつ徐々に置き換える
•変更の際には、鎮痛効果や副作用の観察を行い、鎮痛効果が乏しければ、レスキューを用いながら、適切な投与量へと増量する。副作用が問題となる場合には20~30%減量する
•中等量(経口モルヒネ換算120mg/日)以上のオピオイドが使用されている場合には専門家にコンサルテーション
オピオイドの投与経路の変更
内服ができなくなったときや、副作用のために定時のオピオイドの増量が困難な場合や、十分な鎮痛が得られないときには、オピオイドの投与経路の変更を検討する
•投与経路を変更する際には、力価表に従って投与量を決定する
・変更後は痛みと眠気、呼吸数の観察を行う。血中濃度が安定するまでは、観察を継続すること
*注射・坐薬に変更した場合には、24時間
*フェンタニル貼付薬へ変更した場合には、48時間
•鎮痛効果が乏しければ、レスキューを用いながら、適切な投与量へと増量する。眠気や呼吸抑制などの副作用が問題となる場合には20~30%減量する
•消化管閉塞の場合、フェンタニル貼付薬への変更の際に、蠕動亢進による疝痛が悪化することがある
鎮痛補助薬
オピオイドなどの鎮痛薬を増量しても無効であったり、副作用により継続が困難な場合で、とくにビリビリ、ジンジンなどと表現されるような神経障害性疼痛に対しては、鎮痛補助薬の投与を検討する
•抗うつ薬、抗けいれん薬、抗不整脈薬、ステロイドなどが使用される
•がんに起因する神経障害性疼痛への鎮痛補助薬のエビデンスは不十分
Vadalouca A. Pain Practice 2011
•多くの鎮痛補助薬には保険適応がない
•眠気と副作用のバランスを考慮しつつ、少量から開始
•1週間程度で効果判定を行い、副作用に注意しながら増量する
•十分に増量しても効果がなければ、他の薬剤へ変更する
•鎮痛補助薬の使用経験が乏しい場合は、地域内の緩和ケア専門家やペインクリニシャンにコンサルテーションを
ビスホスホネート製剤・デノスマブ
骨転移の痛み、および骨折予防にはビスホスホネート製剤(ゾレドロン酸の注射剤が使われる)、デノスマブの使用を考慮します。
•放射線療法など他の治療との併用が可能なことが多い
•外来でも投与可能
•ゾレドロン酸は、腎機能低下例では排泄が遅延するため、投与量を調節する必要がある
•デノスマブは腎機能低下例においても比較的投与しやすいが、重篤な低カルシウム血症を予防するため、カルシウム・ビタミンD配合薬の投与が必要となる
顎骨壊死注意
•顎骨壊死が生じると不可逆となる
•投与前に歯科または口腔外科によるリスク評価は必須
放射線治療について
•がん病巣が存在することに伴う痛みは、放射線治療の対象となりうる
•特に骨転移の痛みの緩和、骨折の予防に関する放射線治療の有用性は証明されている
Lutz S. Int J Radiat Oncol Biol Phys 2011
*外照射
*アイソトープ治療(ストロンチウム、放射性ヨード:甲状腺癌骨転移)
•放射線治療の効果の発現には2週間程度を要することが多く、4~8週で効果が最大となる
•全身状態や予後等を考慮して、治療の時期を検討する必要がある
•痛みの原因となる病巣が画像上明確な場合には、治療適応について早期から専門家にコンサルテーションすること
神経ブロックについて
•膵臓がんによる上腹部痛や背部痛、骨盤内臓がんによる肛門痛や会陰部痛、胸壁の痛みなどでは神経ブロックが有効とされる
•鎮痛薬の必要量を減らし、QOLを上げる可能性がある
•一方で、出血傾向や感染症がある場合や、全身状態が悪化している場合には施行不能と判断されることがある
•適応と考えられる痛みを認めたら、早期にペインクリニシャンなどの専門家と相談する
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