【健康食品の成分一覧】:健康食品やサプリの成分の特徴は?27種類をまとめてみました。
こんにちは!Ph.塩です!
今回は「健康食品の成分一覧」です。
健康食品は体の中で足りていない成分を補うという目的で使用するものです。
目安量以上の量をとったからと言ってより健康になったり作用を強く得ることが出来たりするわけではありません。
特に水溶性の成分でしたらおしっこから出て行ってしまうだけですし、脂溶性の成分でしたら体にたまりやすいので副作用を起こしてしまうこともあります。
今回健康食品の成分一覧をまとめましたのでここから目安量を考えて、自分の服用している健康食品の量を今一度考えてみてください。
ベータカロチン(ビタミンA)
どんな人に :若さを保ちたい方、美容が気になる方、パソコンでの業務が多い方
目安量 :男:750μgRE、女:600μgRE
病気への影響:脂質異常症、糖尿病、腎疾患、甲状腺機能亢進症で柑皮症をおこしやすい。
副作用 :柑皮症、喫煙者がβカロテンのサプリメントを5~8年摂取すると肺ガン、脳出血、心臓血管病のリスクが高まる。
コメント :脂溶性で摂りすぎると副作用が起こる可能性がある。食事からのβカロテンの吸収率は低いが、βカロテンを油に溶かした形のサプリメントで摂取すると吸収が良くなる。
ビタミンB1
どんな人に :体の疲れが気になる方、甘い物やアルコールが好きな方
目安量 :男1.4mg、女1.1mg
病気への影響:特になし
副作用 :皮膚炎、腸の不調
コメント :水溶性のためたくさん摂っても体から出て行ってしまう。このビタミンのみならずビタミンB群まとめての摂取で効果的。甘いものやアルコールがお好きな方におすすめ(糖質代謝の酵素となるため)
ビタミンB2
どんな人に :美容が気になる方、脂っこい食事が多い方
目安量 :男1.6mg、女1.2mg
病気への影響:特になし
副作用 :下痢、多尿
コメント :水溶性のためたくさん摂っても体から出て行ってしまう。このビタミンのみならずビタミンB群まとめての摂取で効果的。脂質代謝にも関わるため脂っこい食事が多い方にお勧め
ビタミンB6
どんな人に :美容が気になる方、女性の健康維持を考える方
目安量 :男1.6mg、女1.2mg
相互作用 :レボドパ、フェニトイン、フェノバルビタールとの併用で、これらの薬の効果を減弱させる可能性。イノニアジド、ペニシラミン、エストロゲンの長期投不でVB6減少傾向。
病気への影響:特になし
副作用 :末梢神経障害、長期の使用でシュウ酸腎臓結石になる可能性が高まる
コメント :水溶性のためたくさん摂っても体から出て行ってしまう。ビタミンB群まとめての摂取で効果的。女性ホルモンの代謝に関係するため女性の健康維持を考えたい方にお勧め
ビタミンB12
どんな人に :食生活が野菜中心の方(肉などに多く含まれているため)
目安量 :2.4μg
相互作用 :胃酸の分泌を抑える薬との併用でこのビタミンの吸収が低下する
病気への影響:胃の手術後に欠乏しやすい。赤血球増加症や巨赤芽球性貧血の人で低カリウム血症や凝血が起こる可能性がある
副作用 :特になし
コメント :水溶性のためたくさん摂っても体から出て行ってしまう。コバラミン、コバルトの過敏症が知られているのでサプリメントの飲み始めは注意。いつもと違うなと感じたら一度中止してみてください。
ナイアシン
どんな人に :アルコールが好きな方、美容が気になる方
目安量 :男15mgNE、女12mgNE
相互作用 :大量摂取でα遮断薬の作用増強の恐れがある。また高脂血症のスタチン系薬剤との併用で横紋筋融解症のリスクが高まる。
病気への影響:特になし
副作用 :皮膚の紅潮、痒み、頭痛、吐き気。本成分の過剰摂取により発育が遅延
コメント :水溶性のためたくさん摂っても体から出て行ってしまうが過剰症が知られているので目安量以内の摂取を推奨します。
パントテン酸
どんな人に :お酒のお付き合いの多い方
目安量 :男6mg、女5mg
病気への影響:血友病患者の出血時間を延長することがある
副作用 :下痢(ただしこの下痢になる作用を目的として医薬品で下剤が使用されている)
コメント :水溶性のためたくさん摂っても体から出て行ってしまう。パントテン酸と酸化マグネシウムの併用が処方として頻繁になされている。
ビオチン
どんな人に :美容が気になる人
目安量 :45μg
相互作用 :抗てんかん薬との併用でビオチンの血中濃度が低下
病気への影響:特になし
副作用 :特になし
コメント :髪や肌を作るための酵素となるため美容が気になる方にお勧め。ただし髪や皮膚の主成分はタンパク質であるためにタンパク質もしっかり摂るようにしましょう
葉酸
どんな人に :野菜不足の人、女性の健康の維持を考える方、妊娠中の方(妊娠中は400μg/日推奨)
目安量 :240μg
相互作用 :メトトレキサートの副作用の低下(抗がん剤使用時に併用する)、抗てんかん役の血中濃度の減少
病気への影響:特になし
副作用 :発熱、じんましん、痒み
コメント :妊娠の1ヶ月以上前から3ヶ月までは上記量の摂取が推奨されている(中枢神経の形成の補助に関わる)
ビタミンC
どんな人に :美容が気になる方、疲れをためたくない方
目安量 :100mg
相互作用 :フルフェナジン、トリフロペラジンなどの向精神薬の吸収を下げる事がある。鉄剤の消化管吸収を高める。エストロゲン製剤の血中濃度を上げる
病気への影響:腎臓結石がある患者さんが1000mg/日以上摂取すると再発リスクが高まる
副作用 :下痢、嘔吐、胃腸障害
コメント :水溶性のためたくさん摂っても体から出て行ってしまう。こちらも皮膚の形成に関わる酵素であるため美容が気になる人にお勧め。こちらもタンパク質の摂取を忘れずに。
ビタミンD
どんな人に :骨の健康を気にされる方
目安量 :5μg
病気への影響:特になし
副作用 :高カルシウム血症
コメント :ビタミンDは摂取しても活性型ビタミンDに変化しないと効果を発揮しない。医薬品などでは活性型の状態で製造されているが、ビタミンDを活性型ビタミンDにするためには日光を浴びることが必要。目安として手の平くらいの面積に20分くらいの日光浴が推奨されている。脂溶性ビタミンのため体から抜けにくく、副作用に注意が必要
ビタミンE
どんな人に :女性の健康維持を考える方
目安量 :男9mg、女8mg
相互作用 :ワーファリンを服用されている方の出血リスクの上昇
病気への影響:手術前後の摂取で出血のリスクが高まる。網膜色素変性症、血栓がある方、頭頸部にガンのある方は控えるべき
副作用 :嘔吐、下痢、頭痛、視力障害
コメント :コレステロール値の低下、プロトロンビン時間の延長がある。つまりコレステロールを下げてくれて、血液をさらさらにしてくれる。こちらも脂溶性ビタミンのため体から抜けにくく摂りすぎに注意が必要。特にワーファリンを服用している方、血栓のある方は注意が必要
カルシウム
どんな人に :骨の健康を気にする方
目安量 :男900mg、女700mg
相互作用 :ニューキノロン、テトラサイクリン系と言われる種類の抗生剤とキレートという複合物を作ってしまい、効果源弱を起こす。また活性型ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する
病気への影響:特になし
副作用 :泌尿器科の結石。ミルクアルカリ症候群などが起こりやすくなる
コメント :鉄、マグネシウム、亜鉛、リンなどのミネラルの吸収を抑制することがある
鉄
どんな人に :貧血気味の人、スポーツをする人
目安量 :男7.5mg、女6.5mg
相互作用 :ニューキノロン、テトラサイクリン、セフジニルなどの抗生剤と、レボドパ、甲状腺ホルモン、タンニン酸アルブミンなどとキレート(複合体)を作って効果が源弱してしまう
病気への影響:C型慢性肝炎患者さんで徐鉄療法が行われている場合は摂取を避ける必要がある
副作用 :嘔吐、便秘、便が黒くなる(鉄が酸化鉄として排泄されるため)
コメント :ビタミンCや肉、魚に含まれるシステインの還元作用により吸収が促進される。鉄剤服用中の嘔気、胃部の不快感、むかつきは多くの方で感じられる。どうしても我慢できない場合を除き、服用は続ける事が望ましい
リン
どんな人に :成長期のお子さん、魚や肉をあまり食べない方
目安量 :男1050mg、女900mg
相互作用 :特になし
病気への影響:特になし
副作用 :副甲状腺肥大、腹痛、下痢
コメント :ビタミンB群の働きを補助してくれる。またカルシウム:リン=1:1が理想的な摂取のバランス
銅
どんな人に :生活習慣病が気になる方
目安量 :男0.8mg、女0.7mg
相互作用 :特になし
病気への影響:特になし
副作用 :頭痛、吐き気
コメント :体内で代謝に関わる酵素の中心にある微量元素。積極的に摂る必要は薄いが、食事が長期的に摂れない環境であれば点滴などから投与する必要がある。
モリブデン
どんな人に :鉄分を補いたい方
目安量 :男25μg、女20μg
相互作用 :特になし
病気への影響:特になし
副作用 :特になし
コメント :積極的に摂る必要は薄いが、食事が長期的に摂れない環境であれば点滴などから投与する必要がある。また鉄分に関して影響する微量元素であるため、貧血の方は積極的な摂取をしてもよい。
クロム
どんな人に :生活習慣病が気になる人
目安量 :男35μg、女30μg
相互作用 :特になし
病気への影響:血糖値が低下しすぎる可能性がある
副作用 :頭痛。不眠、いらいら
コメント :鉄が過剰になるとクロムの利用が妨げられる。ビタミンCはクロムの吸収を促進してくれる。
亜鉛
どんな人に :食事が味気なく感じる方、髪がぱさぱさの方
目安量 :男9mg、女7mg
相互作用 :ニューキノロン、テトラサイクリン系の抗生剤とキレート(複合体)をつくって効果が源弱する
病気への影響:リウマチ患者さんで亜鉛は欠乏しやすい
副作用 :特になし
コメント :アルコールを長期間にわたって多量に摂取している場合やカルシウムとリンの同時摂取で亜鉛の吸収が低下することある
セレン
どんな人に :疲れがたまりやすいと感じる方
目安量 :男35μg、女25μg
相互作用 :特になし
病気への影響:心電図の変化やクレアチニンキナーゼの濃度の変化に注意が必要(心臓に働きかける効果がある)
副作用 :末梢神経障害、消化管障害、爪の変形、脱毛、妊娠中の過剰摂取は催奇形性、流産の恐れ。妊娠中、授乳中は400μg以下の摂取が望ましい。
コメント :日本人は常食から100μgを摂取しているため、食事が出来ないなどの特別な環境以外はサプリメント、健康食品からの摂取の必要性は低い。
ヨウ素
どんな人に :魚介類、海藻類が苦手な方
目安量 :150μg
相互作用 :特になし
病気への影響:甲状腺疾患治療中の方はヨウ素入りのサプリメントや健康食品の使用は避けるべきです
副作用 :血管浮腫、皮膚や粘膜出血、発熱、関節痛、リンパ節肥大、じんましん、動脈周囲炎
コメント :魚介類や海藻類に豊富に含まれており、そちらの摂取が非常に乏しい場合にサプリメントや健康食品の使用がすすめられます。過剰症がよく知られているので摂取量をしっかり確認しながら摂りましょう
マンガン
どんな人に :様々な箇所で働く。お勧めされている方は「毎日を健やかに過ごしたい方」
目安量 :男4mg、女3.5mg
相互作用 :ニューキノロン、テトラサイクリン系の抗生剤とキレート(複合体)を形成して効果が源弱してしまう
病気への影響:肝障害や経管栄養をされている患者さんで過剰症になりやすい
副作用 :パーキンソン症候群、幻覚、生殖器系や免疫系の機能不全
コメント :過剰症がよく知られており、過剰摂取によく注意して摂取すべきです。
グルコサミン
どんな人に :階段の上り下りが辛い方
目安量 :1000mg~1500mg
相互作用 :トポイソメラーゼⅡ阻害薬(抗がん剤など)の作用源弱、ワーファリンの効果増強
病気への影響:特になし
副作用 :吐き気、下痢、便秘
コメント :コンドロイチン、ヒアルロン酸との併用が効果的と言われる。ただし多くはただのタンパク質であり分解されてしまう。私としては日々の食生活に鶏胸肉などの良質な蛋白源を取り入れることを推奨します。またグルコサミンはカニ、エビを原材料としていることがあるのでアレルギーの方は服用を避けることが望ましいです
コンドロイチン
どんな人に :関節痛のある方
目安量 :400~2000mg(メーカー推奨)
相互作用 :ワーファリンの作用源弱
病気への影響:特になし
副作用 :胸焼け、悪心、嘔吐、下痢
コメント :グルコサミン、ヒアルロン酸との併用が効果的と言われる。グルコサミンの項同様のコメントです。
ブルーベリー
どんな人に :パソコン業務の多い方、ゲームが好きな方(液晶画面をよく見る方)
目安量 :80~480mg(メーカー推奨)
相互作用 :特になし
病気への影響:特になし
副作用 :特になし
コメント :一緒に含まれているビタミンAによる視神経への影響を期待して上記の様に推奨されている。ビタミンAの過剰症に注意が必要。また、ブルーベリーを大量に摂取して視力が良くなることもありません。
黒酢、香酢
どんな人に :ダイエット中の方、生活習慣の気になる方
目安量 :目安量無し
相互作用 :特になし
病気への影響:酸性であり胃に負担がかかるため胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方は服用を避けてください
副作用 :胃粘膜刺激
コメント :ダイエットに良いとされていますが、ダイエットの基本は運動、食事制限、生活習慣の見直しです。酢を飲むだけで体が理想の体型になっていくことはあり得ません。
ニンニク卵黄
どんな人に :若々しさを大切にされる方、お酒が好きな方
目安量 :目安量無し
相互作用 :ワーファリンの作用増強、CYP3A4で代謝される薬剤の効果が源弱する(こういった薬剤に関しては薬剤師に問い合わせてください)
病気への影響:特になし
副作用 :医師劇、下痢、便秘
コメント :にんにくに含まれる「アリシン」という成分が腸内殺菌効果を持ち、またにおいの成分でもあります。この成分のにおいをうまく消している商品もありますので「にんにくとタンパク質との同時摂取はにおいが気になる」という方にも勧められるかもしれませんが、やはり高価です。食事による摂取をお勧めします。
私は健康食品、サプリメントに関しては否定的な見方をすることが多いです。
その理由はいくつかありますが、最も大きなものは「費用に対して高価が少ない」事です。
食事を気をつけることで改善できたり、わざわざ高いお金を出して使用する価値がない(現代の医学での見解)ためあまりお勧めしません。
しかしそんな中でも健康食品やサプリメントに良い点があるな、と感じる事もあります。
それは「使用している人が気に入っている時」です。
価値観は様々で、ある人が何かにお金を払って満足感、充足感を得ているときにそれに対して他人は何か口出しをすることが出来ないでしょう。
私たち医療従事者は情報を提供するのみであり、そこから取捨選択をするのは患者さん自身になります。
妄信的にサプリメントや健康食品を信じ切って使用している方は少し不安になりますが、サプリメントや健康食品のおかげで健康が保たれていると感じている方に関してはそのまま使用されても良いのではないかとは思います。
また、今後の医学の推移に従ってサプリメントや健康食品の重要性やそれに対する考え方も変化していくかもしれませんしね。
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