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【身体拘束】裁判の事例が出た!医療従事者はどうするべきか?

おっす!オラ塩だよ!


暑くて暑くて思考力低下中だよ!

 

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なんか、アイスの「サクレ」などが供給が減ってるみたいだね!
メーカーとしては売れて嬉しいのかもしれないけど、私もサクレ好きだから何とかしてたくさん作って欲しいなぁ!

 

あと町中のカフェでかき氷フェアやっているよね。


塩としてはかき氷に1000円近く払うのはちょっと気が引けるんだけど、原価も安そうだし儲かるんだろうね!

 

今回は暑さをふっとばせ!身体拘束の問題だ!だよ!


もうちぐはぐでなんだかよくわからないよね!

 

でもすごく大事な問題だから医療従事者は全員が取り組むべき問題だと思うよ!

身体拘束を巡って裁判の事例がでた!

 

以下は朝日新聞の抜粋だよ

 14歳のときに摂食障害で入院した病院で77日間も不当に身体を拘束されたとして、東京都在住の女性(24)がこの病院に1056万円の損害賠償を求める裁判を17日、東京地裁に起こす。女性は「非人道的な扱いで肉体的・精神的な苦痛を受け、人生を壊された。私のような被害者を出してほしくない」と訴える。

 診療録などからまとめた訴状によると、女性はダイエットで生理がなくなったりふらついたりしたため、2008年5月16日に都内の病院の精神科を受診。摂食障害と診断され、19日に女性も同意して入院した。

 食事はベッド上でとっていたが、ベッドから離れてはならないと指示され、音楽を聴くことも、外部との電話や面会も許されなかった。病室の簡易トイレで看護師の立ち会いのもとで排泄(はいせつ)していたという。

 厳しい行動制限に納得できず、女性は5月24日に抗議のため点滴を自ら抜いた。すると、「治療を拒絶した」などの理由で、本人の同意がなくても保護者の同意で入院できる「医療保護入院」に切り替えられた。帯のような太いひもで両手両足と肩をベッドに縛り付けられたうえ、栄養をとるために鼻からは胃へチューブが、尿道にはカテーテルが入れられ、おむつをされた。入浴もできなかったという。

 足の拘束が解かれたのは38日目、すべての拘束が解除されたのは77日目。両親と面会を許されたのは入院から4カ月余りたった9月26日で、医師に強く希望して11月21日に退院した。

 退院後は頭痛やめまい、不眠の症状が出たほか、拘束される夢を見て跳び起きたり、フラッシュバックから逃れるためにカッターで腕を自傷したりするなど、精神状態が著しく悪化。別の病院でうつ病と診断された。高校は1年生の5月で中退せざるをえなかったが、15年に結婚してからは安定してきているという。

 弁護団の北村聡子弁護士は「自傷や他害の恐れもなく、生命の危険を生じさせるような状況ではなかった摂食障害の14歳の少女に対して、77日間も身体を拘束するのは、あまりにも非人道的。医療行為の範囲を超えている」と話す。


今回はこの件について考えていくよ

身体拘束して訴えられちゃうって身体拘束はそんなに問題なの?

 

あんまり現場にいない人は「なにそれ、何が問題なの」っていう感じだと思うけど、なかなか問題なんですよこれ。

 

医療現場で不要な身体拘束のどれだけ多い事か!


っといっても、「不要」って言い切ってしまうとなかなか反発を食らう話になるので言葉遣いに気を遣うところだけど、やっぱり塩はあえて不要って言いたいね。

 

医療現場での身体拘束っていうと一般の人は普通、暴れるから縛り付けていることなのかな?って思うと思うけど、それがほぼ正解だよ!

 

暴れたり、医療従事者からの指示が入らない人に対して、手首や体幹、足をベッドに縛り付けて動けないようにするのが身体拘束って言うよ。

 

もっと厳しい病院ではベッドから出るときにセンサーが鳴るようにするコールマットや、患者が身を起こしたときに看護師に伝えるセンサーとかも身体拘束って言うときもあるね。

 

それに、患者さんに使われる鎮静効果のある薬剤も広い意味では身体拘束っていうときもある。

 

どんな形であれ、患者さんの動きとか行動を制限することは身体拘束っていうんだよ。

 

今回その身体拘束を行っていく中で裁判沙汰になったっていうのは凄く大きな意味を持っていて、今後病院や医療施設で身体拘束を行った場合「訴えられる」覚悟をもって行わないといけないってわけ。

 

もちろん身体拘束に対しては本人に承諾を得るし、本人が承諾を出来ない、判断能力が無い場合には家族に同意を得ることもある。

 

それでも家族や本人は素人の場合が多いから、身体拘束をしますよって言われても言われた時点でイメージが付いていないことが多いよね。それは当たり前だと思う。

 

そういったときにトラブルが起こるんだよ。
今回はそんなトラブルをどうやって避けていくのか、考えてみたいよ。

 

身体拘束ってどんなときに行うの?

 

身体拘束を行うときには、必ず以下の3原則を守る必要があるんだよ。

 

1切迫性:本人または他の患者さんの生命や体が危険にさらされている可能性が凄く高いこと
2非代替性:身体拘束、そのほかの行動制限を行う以外に代替する方法がないこと
3一時性:身体拘束、その他の行動制限が一時的であること。

 

つまり、身体拘束しか手段が無くて、それをやらないといろいろ危なくて、危なくなくなったら身体拘束辞めるつもりでやらないといけないわけ。当たり前といえば当たり前だけどね。

それからこの三原則が守られたとしても、更に以下の手続きが必要なんだ

 

1身体拘束の委員会を配置する(身体拘束を可能な限り減らす検討を行い、行われた場合には必ず記録に残す)
2本人や家族に目的、理由、時間。期間を説明して同意を得る
3要件に該当しなくなった場合には速やかに拘束を解除する

 

つまり、組織として前向きに身体拘束を減らす努力をして、本人や家族に細かく説明した上で同意を得て、三原則が該当しなくなったらやめる。っていうこと。


これも文字だけみると当たり前だし、みんな拘束されるのいやじゃん?じゃあ必要最低限にしようよ。っていう感じが凄く伝わってくるよね。

 

でもね、次の場合を考えるとどうかな。

身体拘束テスト!あなたはこの場合どう考える?

 

誤嚥性肺炎が悪化して病院の10階に入院してきたアルツハイマー型認知症のAさん
もともと仕事柄寝る前には自営の店のシャッターがしまっているかどうかを確認して寝ることにしている。
今回入院してきたのでもちろんシャッターなどは無いが、本人は自分の居場所を自宅だと思っており、シャッターが1階の正面玄関に位置していると勘違いしている。しかし認知症であるため、本人にとっては勘違いではなく、それが真実だと信じて疑わないため他人に何度説明されても、夜10時頃にベッドを抜け出して正面玄関に行ってしまう。その後、帰り道がわからなくなることもしばしば。病棟夜勤は看護師3名体制で、患者数も多いため常に忙しく働いており、夜勤中休憩をとれないこともよくある。

 

そこで、以下の方法でどれが正しいか?

 

A身体拘束をする(物理的にしばりつける、または薬で鎮静する)
B患者かスタッフが一緒についていき、シャッター(正面玄関)の確認を行った後病室までつれて帰る。
C正面玄関は閉まっていましたよ、と伝えて病棟から出さない

 

さぁどれだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なーんて、実は正解は塩もよくわかりません


だって、正解に限りなく近いと思うのはBだと思うけど、スタッフの数は限られていて、忙しい夜勤の間にそれをしている暇は無い事も多いよ。


10時頃って言ったら他の患者さんの夜間せん妄が起き始めたりする時間だし、点滴のタイミングであることも多いしね。

 

だからこれが正解、っていうと理想論に近い

 

かといって、Cで納得する可能性は低い。これで納得していたら苦労はしない。
正面玄関の写真をとっておいて、シャッターがしまっていた証拠にするとか、患者が信頼している人が代わりに正面玄関を確認する事で落ち着いてもらえるならそれでいいかもしれない。でもそれもなかなか現実的には難しい事もある。

 

となると、一番スタッフとして楽なのはAとなる。


もちろんこの話の流れではAがよくない、ってことはこれを読んでいる人はわかると思う。

 

でもAを選ばざるを得ない。だって、無理だから。それで仕事がまわるんだから。Aさんにつきっきりで他の人のケアや治療を放置する事なんて、それも本末転倒だし。

 

で、今回の事例を考えるとAを選んだら訴えられるかもしれない。

 

正直、スタッフとしては困っちゃうよね。


これで訴えられたら、本当に辛いと思う。でも、こんな裁判の事例が出てしまった。

 

これ、本当に大きい問題ですよね?
じゃあ、どうしたらいいんだろ?

 

何で身体拘束が必要なのか考える事が重要

 

つまりね、上記の内容だと患者本人の訴えがあるわけ。


その訴えは前提として、必ずしも簡単にお答えできるモノじゃない。

 

だけど、どうしたら正解に近いのか?を考える事は非常に大事。本当に大事。
その人が納得する方法を本人が納得するまで試すこと。

 

例えば
・自営の店は一時閉店することにしたんだから、シャッターはずっとしまっているから大丈夫と説明する
・病棟が許せば、すこしでも負担の少ない低階層の病棟に転棟してもらい、看護師の負担を減らす。
・家族に協力をお願いして、正面玄関まで連れて行ってもらう。
・正面玄関から帰ってくる際の矢印を大きく目の入る位置に掲示して帰ってきてもらう。

 

などなど...その人の事を最後まで否定しないで、納得してもらう方法を模索することが一番大事だと思う。


もちろん今回のケースは一つの症例で、要求は人それぞれ違っているし、もっと無理難題をふっかけてくるのかもしれない。

 

それに対して一つ一つ尊厳のある人の言うこととして受け止めることが大事。

 

でも実際の医療現場では患者の要求は多くの場合無理とされて、ひどい場合には夜にトイレに起きたから勝手な行動をしたと決めつけて縛り付けることもある。


もちろんそれは良くないけど、なんでスタッフは縛り付けたのか?ということを明確にカルテに残す事が習慣化されていれば第三者の目もはいるし、必要性があると判断されれば妥当な身体拘束になるから、カルテの記載も凄く大事。

 

なんだか症例のせいで認知症の人の付き合い方みたいになっちゃったけどね。


最近は書類関係の仕事とか、記録関係の仕事とかも多くなってきてしまったし、コンプライアンスが叫ばれすぎてなかなか難しい世の中だけど、患者さんに個人として向き合うっていう大事なところは忘れたくないよね。

 

あと最後に、個人的に上で紹介した記事は好きじゃないな。

なんだか医療従事者が一方的に悪い感じだよね。本当に悪かったのかもしれないけど、状況のわからない読者たちが勘違いしない文章を心がけて欲しいな。


じゃあね。

 


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