薬剤師は伝えたい!

今日から使える情報をあなたに。

塩の日常


こんにちは!塩だよ!


今回は薬剤師関係ないけど、塩の日常を書いたよ!

 

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夏休みだから親戚やら近所やらのお子様を引き連れて、まるでハーメルンの笛吹きのようにぞろぞろとショッピングモールを大名行列したよ!

 

そこでショッピングモールの店頭でチケットを配っていたお兄さんが居たから、普段なら無視してツンツンしちゃう私も子供達の前ではいい大人を演じようと思って「いえ、結構です、ウフフ」って言おうと思ったわけよ。

 

「いえ、結構でぅ、デュフフ」って感じでクールに私のお断りが決まった瞬間、子供達の一人が叫んだんだわ。

 

「塩ちゃん!これゲームセンターのクレーンゲーム無料チケットやで!やろうや!」ってね。

 

デュフフと愛想笑いした私の顔を困った顔で見つめるゲームセンターのチケット配りのアンチャンに一瞬困った顔をしてしまった気がするけども、こうなってしまうとチケットもらう雰囲気になってしまうじゃん。

 

ということで人数分一斉にもらって、ゲームセンターに一同向かっていったのさ。ぞろぞろと。

 

たどり着いたのは、まぁ田舎によくありがちなゲームセンターというよりは、むしろゲームコーナーといった方が良さそうなこじんまりとしたところ。例にもれず田舎のヤンキーが何人かたむろしている。中学生か高校生かわからないけど最近の子は発育が良い。

 

内心おびえつつ、テンション爆アゲな子供達をなだめつつ「たのむからヤンキーにちょっかいかけないでよ・・」なんて思いながらどこか小さい頃を思い出してややテンションあがる私。

 

「ウチ!これやるねん!」っていいつつどう考えても無理めな巨大ぬいぐるみ(キャラは何かわからない)を指さす親戚の子。


「いや、むりだろこれ、どう考えても落ちないでしょ!」っていってもヤルヤルいって聞かないのでもう好きにしなさいと放置してみると、まぁみんな蜘蛛の子のように思い思いの方向へ散っていき、各所でゲームコーナーの店員さんに無料チケットを振り回して呼びまくるもんだから店員さん困惑。

 

夏休みのゲームコーナーのバイトも楽じゃないなぁ~、なんて思いつつ私も何をやろうかとおもって見渡すもなにもほしいものがない。

 

お菓子も大量にもらっても子供達の親がお菓子制限していたら困るだろうし、ぬいぐるみをもらっても子供達が取り合ってけんかするし、マグボトルとか日用品ももう自分の気に入っているやつ持っているし・・・大人って大変やなぁ。

 

とウジウジ悩んでいると子供達が戻ってきた。

 

「あかん、ぜんぜんとれない。ここのゲームーコーナー潰そう」

 

すげぇ物騒なこと言いながら、しかし顔は本当に悔しそう。よほど欲しいものがあったのかと思ったけれど、どうもほしいものがあるというよりもゲームにチャレンジしてとれなかったことが悔しいようだ。お金があればいくら使ってでもゲームにチャレンジしそうな気配を感じる。

 

精神科チーム医療に加わるために勉強したときに、こういうギャンブルに関する猿の耽溺性の実験あったなーとか思いつつ、子供達の盆休みの思い出が一つ悲しいものになってしまうのも大人の塩としても悲しい。

 

しかしゲームセンターなぞ受験勉強の時にコインゲームで憂さ晴らしを数回やっただけの塩がみんなの敵討ちを出来るとはとても思えないが、どことなく子供達の期待を感じる。何を隠そう塩はここのゲームセンターに来る前に家で子供達の暇つぶしの目的でイソジンうがい液とビタミンC(レモンタブレット)でイソジンの色が魔法のように消えるという酸化還元反応の実験をやって一躍ヒーローになった経緯が実はあるのだ。ここで引いたらヒーローの座は怪しい。


そこで、塩は考えた。


ゲームの扱いなんて、子供達と塩を比べても、子供達のほうがうまいかひいき目に見ても同格である。そんな状態でどこかのクレーンゲームに突っ込んでもどうせ子供達のようにしょんぼりしておしまいになってしまうに違いない。


ということは、子供たちにあって、塩にあるもの。


大人にしかない武器。


思いついた。

 


交渉力だ!

 


ゲームセンターのバイト君に力を貸してもらうしかない!


ということで子供達をなだめつつ塩はまだトライするクレーンゲームが決まっていないようなフリして、どの店員さんが言うことを聞いてくれそうかターゲットを絞る。
気が弱そうで、優しそうで、言うこと聞いてくれそうな、しかしこちらの置かれた逆境をそれとなく理解してくれるような聡明さをもった店員を探す。

 


といっても見た目ではわからないため、とりあえず眼鏡をかけた優しそうな青年に頼んでみる。


しかし出来ない感じをもろだしにすると手柄がゲームセンターのバイト君に全てもっていかれてしまうため、それとなく自然な会話の流れに商品をどうしてもとりたい意欲を出しながらバレないように交渉する。

 

なんとも難易度A級のミッションであったがなんとか交渉可能であったため、今度はどのクレーン台をトライするか決めていなかったことに気がつく。

 

そうだ、私はほしいものがなかったんだ。どれが落としやす「塩ちゃん、俺これほしいねん、これどうしてもほしいぇええん!!!」

 

もう考えるまでもなく子供の最強の武器「泣く」という行為によってこれまた難易度の高そうな「日産GTRラジコン」という箱のでかい高そうなおもちゃにトライするはめとなる。これは店員さんの熱い応援を持ってしても難しいのではないかと塩はたじろぐが、もはやこのクレーン台に決めないと意味が無いような空気を感じたためしょうがなくトライすることにし、店員さんに可能な限りずらしてもらったり狙うポイントをレクチャーしてもらったりして、無料プレイチケットを店員さんに渡した。


「えっ、塩ちゃんこれできるの!?やばくない!?すげぇ!!!」


子供達の無慈悲な声援が塩を突き刺すが、できるわけないだろ。私が普段何やっていると思っているんだ。薬剤師だぞ。こんな技術身につけるような人生経験無いわ!しかもこの台でプレイしろっていったのお前だろ!できねぇよマジで!なに驚いてんだよ!やれっていったろ!

 

と間違っても口には出さずチケットを店員に差し出すと、子供達がまるで陽極に向かう電子のようにクレーン台のプラスチック製の透明なかべに張り付き見事なブタバナになりながら食い入るようにクレーンを見つめている。


あのさ、すっごいプレッシャーなんだけど。


この瞬間、間違いなく仕事の方がプレッシャー少ないわ。


優しい青年「GTRのRの文字のあたりに右側のアームが引っかかるようにしてくださいね」
もうね、神様に見えてきた。こんなんここまで言われたら出来なきゃ恥ずかしいやん。


優しいと思われる青年「クレーンのアームがどれだけ開くかはそこは教えられません」
ま、まぁね、それは言葉にして教えるのは難しいだろうし、そこ明言したら商品とれなかったときに青年の責任になりそうだもんね。


優しくなかった青年「すこしずつずらして落とすというのもアリですよ」

いやいや、こちとらお金使うことは前提にしとらんのじゃ。このチケット一枚限りなんだわ。キミとも1回限りの関係なわけよ。

 

お金使ってクレーンゲームで商品落としたら子供達からは今後たかられるし、親たちからも良い感じしないだろ!


聡明な優しい青年は実は味方でなかったのか!?

 

と悲しそうな顔をしていると

 

実は神だった青年「じゃあ、ちょっとずらしてあげますね」


ウヒョヒョヒョ!
悪いねぇ!そんなつもりはなかったんだけどねぇ!ウヒョヒョ!

 


心の中で小躍りしつつ「えっ!いいんですか!?」なんて驚く塩。

 


もうこれはとれる!


そう確信した塩は、言われたとおりにGTRのRの部分にうまくアームを引っかけることに成功する。


GTRがなんの頭文字なのかちょっと気になったが今はそんなことはどうでもいい。GTOが懐かしい。


「ゥィーン」と小さな音を立てながらGTRは持ち上がり、途中でアームのひっかかりがとれることで大きく倒れ、その反動で穴へ滑り落ちていく

 


とれる!!!!!!!

 


その瞬間子供達のボルテージは最高潮になり、大暴れしクレーン台にバンバンバンバンぶつかる。


商品は見事に穴に落ちていき見事にとれた!


しかし最後は子供達の猛アタックによって商品は落ちたところもあったような気がするが、ふと店員の方をみてみるとにこりと笑って「おめでとうございます!」なんて言ってくれている。もうこやつ神様ではないだろうか。夏の神様だわ。結婚してくれ。

 


ということでGTRを手に入れ、ひとしきり家で遊んだ後、最終的に誰の所有物になるのかで大もめにもめて、結局とった人の物ということで塩の部屋に全く似つかわしくない日産GTRをが飾られることになったのであった。

 

ピアノの上にGTR。

 

うーん、似合わん。


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