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【テモダール39日間連続投与】こんな事故を防ぐためにはどうしたらいいのか?

こんちに!塩だよ!

 

このお盆中にはテモダールの連続投与で患者が死亡したっていう医療事故が発生したね。


本当に痛ましい事件で、ご家族の事を思うと本当に旨が痛みます。

 

でもこのテモダールの事件は医師や薬剤師が絡んでいたということだけども、防げなかったのかな?


今回はこのテモダールの連続投与について今後どのように防いでいけばいいのかというところをお伝えしていくよ!

テモダールは休薬が必要な薬

 

今回起こった事件の概要は以下の内容だよ(朝日新聞抜粋)

 

山口県下関市の国立病院機構関門医療センターは10日、誤って抗がん剤を投与した70歳代の男性患者が死亡したと発表した。連続投与に制限がある薬であることに、医師も薬剤師も気付かずに投与を続けたためとみられる。
センターによると、男性は2月に骨折の治療で入院した。他の病院で脳腫瘍(しゅよう)の治療を受けており、親族が持参した服用薬に抗がん剤「テモダール」が含まれていた。整形外科の男性主治医(53)ら複数の医師は、抗がん剤であることを十分に認識しないまま処方箋(せん)を書いたという。


まずね、テモダールって言うのは少し複雑な飲み方をする抗がん剤で、5日飲んでは23日休んで、ということを繰り返していく飲み方をするんだ。

 

でも逆に言えばただそれだけを知っていれば連続して投与されていることに気がついた可能性が高いよね。

 

今回は持参した薬にテモダールが入っていたけど医師が出し直しをして、その薬についてだれも触れなかったって事だから驚きだよね。

 

通常は医師が処方した内容を目に触れるのは薬剤師、看護師、患者、患者家族になるけど誰の目にも止まらず事態は進んで言ってしまったと言うことだからエラーっていうのはいつどこで起こるかわからないよね。


でも一人が1%までミスを見つけることが出来ても、3人体制でミスを確認しても結局100万件に1件ミスが生まれるって事だから全国規模で考えてみたらそりゃどこかで事件は起こるよね。

 

でもこの1%のミスを0.1%まで見つけるようにできたら....?

 

今回はそういう所を具体的に考えていくよ

 

今回の事件を防ぐ方法(薬剤師的に)

①システム的に休薬期間のある薬を登録して。処方時にアラートが出るようにする。また部門(薬剤部)が処方を受けた際にもアラートが出るようにする。


②テモダールを処方されている患者さんの管理帳簿を作成して、調剤時に毎回記録する。そこで投与量と連続投与期間の確認をする


③人を増やして処方監査の人間を配置する

 

①は大きな病院だったりしないと難しいかもしれないね。でも休薬期間の必要な薬はテモダールだけじゃなくて色んな薬があるから効果は大きいかもしれない。
でも医師にとっては処方する度にアラートが出るから診療が止められてイライラしたり、何度も出るアラートに対しては読まずにOKを押してしまうかもしれないね。

 

②は今うちの組織がやっているやつで、この記録簿の補助システムをマイクロソフトアクセスで作成したよ。
なかなか帳簿を調剤時に毎回入力するのも面倒だよね。そう言うときに自動で情報を入れられれば電子カルテから取得してきて必要事項が入力されるやつ。
中には手入力しなくちゃ行けない項目もあるけど、これでアクシデントはいまのところ発生してないよ。

でもこのシステムでも調剤した薬剤師が適当に記録したらそのまま間違った処方が運が悪ければ患者さんの所に届いてしまうからまだまだ完全だとは言えないけどね。

 

③は難しいよね。アクシデントに対する増員ってよくいきつく結論だけど、他に手段がある以上は難しいよね。


このアクシデントの管理にどれだけの人がどれだけの仕事に従事していて、時給換算でこれだけの損失があります。なんて事が言えれば良いのかもしれないけど、そんなこと言い出したら増員する案件だらけになっちゃうよね


この病院や関わったスタッフが社会的に立て直していくのはなかなか簡単な事ではないと思うけど、一度ミスして痛い目に遭った人は次繰り返さないように気をつけると思うから、是非立て直してしっかり学習して欲しいよね。日本だと難しいけど。


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