薬剤師は伝えたい!

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【副作用について】週刊誌やテレビの言うことは信じていいのでしょうか?

こんにちは!Ph.塩です!

 

今回は「副作用」についてです。

 

副作用に関してはお薬やサプリメントを飲んでいる方は最も興味があるのではないでしょうか?

 

 

 

週刊誌やテレビでよくあるこんな話!

 

「先生、この薬って副作用があるんでしょ?飲みたくないんですが....」

 

なんて言葉をよく耳にします。

 

こんな言葉を頻繁に耳にしたり、特定の薬剤に関する不安などの相談を受けるようになったら間違いなく.....

 

 

週刊誌、テレビでとり立たされています。

 

 

以下のような煽り文句はよく耳にしませんか??

 

・医者に出されても飲んではいけない薬!

・医者が自分では絶対にのまない薬!

・有名な薬でもいいなりに服用するな!

・その薬大丈夫?実は知らない恐ろしい副作用とは。

・本当は恐ろしい家庭の医学!

・その薬、一生飲み続けるつもりですか!?

 

などなど....

 

こういった文句は書いていてきりがありません笑

 

しかし中には副作用によってがんを引き起こしたり認知症の症状を悪化させたりするリスクがあるとも指摘していて、それらの記事に自分の飲んでいる薬の名前を発見してしまった方はとても驚いたことでしょう。

 

病院に来て私たち薬剤師や医師に相談していただくのはもちろんウエルカムです☆

 

ですがほとんどの薬剤師が以下のように考えているでしょう。

 

副作用ってすべての薬にあるの?!

こういった週刊誌やテレビで名指しされたお薬やサプリメントは本当に副作用があるんでしょうか?

 

答えは「あります」

 

こうやって答えるとあたかも週刊誌やテレビの言っていることが正しいように聞こえてしまいますが、副作用のないお薬やサプリメントはありません。

 

そもそも、血圧を下げる、コレステロールを下げる、血液をさらさらにする、などの薬を飲む目的を「主作用」といい、それ以外の作用を「副作用」と呼んでいるだけで副作用が悪いものばかりである訳でもありません。

 

たとえば、私が紹介したイコサペント酸エチル は血液をサラサラにして血管系イベントのリスクを下げるお薬です。血液をサラサラにすると血管が詰まりにくくなるイメージは容易に想像できますが、血液がサラサラになると出血しやすくなる副作用も簡単にイメージができると思います。

 

また抗アレルギー剤は副作用として眠たくなる薬が多いですが、その眠たくなる効果を利用して不眠に対して使用されていることもあります。

 

具体例は続きますが、なんと副作用の話はお薬に限りません。

 

牛乳を飲むとカルシウムが取れて栄養も取れますが、その脂肪成分によっておなかを壊す人もいます。

にんにくを食べるとアリシンという成分が殺菌効果を発揮してくれて腸内が健やかになりますが、その殺菌効果によって腸内細菌が乱れて乳酸菌などが殺され、おなかを壊すこともあります。なにより、血中に入ってにおいが気になりますよね笑

 

これらも立派な副作用と言えるでしょう。

 

また発がん性や認知症のリスクと言ったら生きていく上で欠かせない酸素や水にもありえます。

 

つまり口に入るものはすべて主作用と副作用があるんです。

 

副作用って危険なの?

答えとしては「危険である可能性があります」となります。

 

またまた週刊誌の肩を持つような言い回しですね笑

しかも可能性、とつけると政治家のような感じがして個人的に嫌いです笑

 

しかし我々の世界でよく言われる言葉に「リスク&ベネフィット」という言葉があります。

 

「有益性投与」とも言いますね。

 

つまり「その薬を飲むことで得られる利益=ベネフィットが、その薬を飲んだことや飲まないことによる不利益=リスクを上回る場合に服用する。」ということです。

 

基本的に病院にかかっている人は何らかの疾患や病態があってきているわけですから、それを治療することが先決ですよね?

 

ですから血圧が高くてこのままでは心臓や腎臓に負担が大きい、と考えられれば高血圧の薬が出ます。また脳梗塞や下肢静脈塞栓などが起きれば血液サラサラの薬が出ます。

 

しかしもちろん薬にも食品と同様にアレルギーの可能性はあります。

高血圧の薬は体調によって血圧を下げすぎてふらついてしまったり(起立性低血圧など)、血液サラサラの薬を飲んでいて抜歯をすれば血が止まりにくくなったりします。

 

ですから「副作用=危険な可能性がある」ということは間違いありません。

ただ、自分がどうしてその薬を飲んでいるのかということは念頭に置いてうまく副作用が起こる可能性と「お付き合い」する必要はあります。

 

また皆さんの飲まれている薬剤は世界中で臨床試験を行った後、副作用情報をかき集めてほぼ全ての人に対して副作用に比べて主作用から受ける利益が明らかに大きいと判断されたため市場に流通し、現在進行形でデータを集めています。

 

いまさら週刊誌やテレビが何か言ってきたところでデータがすべてを物語っています。もしデータが週刊誌やテレビの言うとおり服用に値しないものならば、そもそも市場に流通しません。

 

じゃあ、副作用に気を付けていればお薬を飲み続けていればいいのか?!

これは確かにそうなんですが、ひとつ個人的にご注意があります。

 

病気を治すためにお薬を飲む、というのは非常に大事です。

 

ですが、自分がどうしてその薬を飲んでいるのか、をしっかり考えてみましょう。

 

・喘息で気管支拡張剤を服用しながら煙草を吸っていませんか?

・降圧剤を服用しながら毎日ファーストフードではありませんか?

・抗コレステロールの薬を飲みながら車通勤、デスクで仕事、高脂肪食ではないでしょうか?

 

人間は楽な方に流れてしまうもので、薬がなんとかしてくれたら自分は今まで通りの暮らしをしたいですよね....

 

ですから薬を飲みながら薬を飲むことになった原因を追及しない方がほとんどです。

 

しかし薬はあくまで体の機能を一時的に助けたり、悪くなった部分を人為的に修正するものです。日々の運動、栄養摂取などの生活習慣に原因があれば主作用は感じられず、副作用ばかりが目立つでしょう。

 

こういったところにつけこんでくるのが週刊誌やテレビです。

 

週刊誌やテレビはエンターテイメントです。注目を集めるために間違いではないが人の心を煽るような文句を選んで使用しています。

 

そういった言葉に踊らされて勝手に服用をやめることもまた副作用を増強させる可能性の一つでもあります。

 

体の中にこれまで存在していて当たり前の成分がいきなり無くなると体はそれを代償的に補おうとしますので、不調をきたすことが多いです。

 

服用をやめることも自己責任です。

 

ですが、もしやめる場合は医師、薬剤師に相談してからきちんとやめていきましょうね☆

 

こういった副作用に関する管理も薬剤師のお仕事の一つです。

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