【PMDAからの使用上の注意】:ベンゾジアゼピン系薬の使用上の注意が改訂されました
こんにちは!Ph.塩です。
今回は「ベンゾジアゼピン系薬の使用上の注意の改訂」についてです。
日本人はベンゾジアゼピン系薬が大好きです。とても使用量が多く外来処方が多い事も加えて、入院して夜眠れなければすぐ使う事もあります。
ベンゾジアゼピン系薬ってなに?って方は以下の記事も参考にしてください☆
もちろんこれは悪いことばかりではなく必要だから使っているのかもしれませんが、こんな身近な薬も向精神薬のひとつとしてしっかり注意して使用していかないといけません。
その注意の具体的な指示がPMDAから出されたわけです。
PMDAという機関は薬学に携わっている方なら名前は知っている人も多いでしょう。
PMDA:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)
この機関は医薬品の安全性と有効性を評価し、国内であった医薬品のトラブルなどの救済を行っている機関です。
さて、そんなPMDAから一体どんな使用上の注意の改訂があったのでしょうか?
目次:
2.指示を出す意味と、指示を受ける意味
具体的なPMDAからの指示内容は以下の通りです
A:承認用量の範囲内においても、連用により薬物依存が生じることがあるので、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること
B:催眠鎮静薬又は抗不安薬として使用する場合には、漫然とした継続投与による長
期使用を避けること。投与を継続する場合には、治療上の必要性を検討すること。
C:承認用量の範囲内においても、連用中における投与量の急激な減少又は投与の中
止により、原疾患の悪化や離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場
合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
D:ベンゾジアゼピン受容体作動薬については、統合失調症患者や高齢者に限らず、
刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。
ベンゾジアゼピン系薬の使用によって依存したり、使用量が増えてきてしまったりすることが多い事は正直言って医療関係者にとって「あるある」でしょう。よい睡眠を求めて薬が増えてしまうことを経験した患者さんも多いと思います。
ですがこれは仕方がないことでもあります。薬を組み合わせてうまくいくこともありますし、飲んでみないとわからない事ですからね。
また副作用に関しても飲んでみないとわかりません。向精神薬はお医者さんとの二人三脚でオーダーメイド処方をしていく必要があります。
しかしこのような具体的なPMDAからの指示を受け、何が問題なのでしょうか?
このような指示を出す側の意図としてはもちろん「公に交付しているんだから、適当な処方はゆるさんばい!」という意味が含まれています。
添付文書というものは法的な根拠があり、万が一裁判になったときにはここに書いてあることに背いていれば言い逃れはできません。
ですから、指示を出す側としてはベンゾジアゼピン系薬に関わる医師や、調剤をする薬剤師、服用する患者に対して釘を刺した形になります。
さて、更に大事なのが指示を受ける側の姿勢です。
現在、ベンゾジアゼピン系薬の使用量はとても多く、多くの患者さんのためになっていることは事実です。
その中でこのような指示がでたからといって、「危ないからやめなきゃいかんのじゃないの?」と脊髄反射的に中止することはかなり危険です。
それは処方をしている側の医師と、服用している患者の両方に言える事です。
必ず、薬をやめる時や服用量を変えるときは医師、薬剤師に相談して変更するようにしましょう☆
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