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【H2ブロッカー】:ガスターばかりが有名だがその他にどんなお薬があるのか??

こんにちは!Ph.塩です!

 

今回は「H2ブロッカーについて」です!

 

H2ブロッカーとは胃薬の中の一つで、胃酸を分泌するスイッチである「H2受容体」というところをブロックすることによって胃酸を出さないようにして効果を出すお薬です。


一番有名なお薬では「ガスター」ではないでしょうか?テレビのCMでも御馴染みですよね。


あのお薬も「H2ブロッカー」のひとつで、それ以外にも多くの薬剤があるんですよ。

 

今日はその種類と特徴について記載して行きたいと思います^_^

 

目次:
1.H2ブロッカーの種類について
2.H2ブロッカーまとめ
3.まとめ


1.H2ブロッカーの種類について

以下にあるお薬がH2ブロッカーという区分に当てはまる胃薬です。
みなさんが飲んでいるお薬はあるでしょうか??

 

ガスター


一般名:ファモチジン

【特徴】
関節の石灰化を改善する作用があるなどの報告がある。
H2RAの中でもっともポピュラーで頻度が高い。


タガメット


一般名:シメチジン

【特徴】
CYPを阻害するため相互作用が多く注意が必要。このお薬を飲んでいる方は一度薬剤師に軽くでいいので相談してみましょう。
適応外として癌転移抑制効果や、関節の石灰化を改善する作用があるなどの報告がある(詳しい作用機序は不明、副甲状腺に対する作用が示唆されている)
高プロラクチン血症、女性化乳房等の副作用がある。


プロテカジン


一般名:ラフチジン

【特徴】
H2RAの中で唯一腎障害時に減量不要。
カプサイシン感受性知覚神経に作用し、胃粘膜保護作用があるといわれる。
舌痛症や化学療法時の口内炎に対して使用される場合がある。

 

アシノン


一般名:ニザチジン

【特徴】
弱いアセチルコリンエステラーゼ阻害作用があるといわれ、消化管運動改善作用、唾液分泌促進作用があるといわれる。

 

ザンタック


一般名:ラニチジン

【特徴】
好中球エラスターゼ放出抑制作用があるといわれ、腹部手術後の臓器障害予防目的で使用される場合がある。(※好中球エラスターゼとは炎症の時に好中球から放出され、微生物、異物を分解することで生体を防御するタンパク質です。しかし、あまりに多く放出された好中球エラスターゼは、自分の組織を障害する恐れがあるためOPE時にはこの好中球エラスターゼ放出抑制作用が期待されることがあるのです)また弱いCYP阻害作用もあります。

 

アルタット


一般名:ロキサチジン

【特徴】
唯一小児に適応をもつ。
胃粘膜保護作用があるといわれる。

 

2.H2ブロッカーまとめ


・プロテカジン以外は腎機能が低下している患者さんでは減量が必要となります。腎臓がわるいよ!と指摘をされている方はプロテカジン以外の薬剤を処方された場合には相談するようにしましょう。
またこのため麻酔を使用していて横になっていると胃酸が喉を傷つけることがあるので、プロテカジンは術前制酸剤として使用されることもあります。

 

・ピロリ菌検査に影響を及ぼさないのでピロリ菌の除菌を行った方にも検査までの内服として処方される事があります。
ピロリ菌の除菌は別の胃薬が出ることが多いですが、その後に出されたH2ブロッカーもしっかり服用しましょうね☆

 

・適応外として難治性の蕁麻疹において抗ヒスタミン薬(H1ブロッカー)と併用される場合があります。ただしこれはあくまでも適応外であり、本来の目的の使い方ではないので効果としてはあまり期待できません。

 

・即効性がありますが、胃酸分泌抑制作用としてはH2ブロッカーはとても強力とは言えません。特に、PPI(プロトンポンプインヒビター)と呼ばれる「ランソプラゾール」、「ラベプラゾール」、「ネキシウム」などの薬剤と比べると胃酸分泌抑制作用は弱いでしょう。ただし、夜間の胃酸分泌抑制についてはPPIより強力とされているためこちらを狙った使用もあり得るようです。

 

3.まとめ


ガスターしかなかなか世の中には知られていないこともありますが世の中にはこれだけガスターの友達がいるのです。


病院で勤務していても注射の薬を含めてH2ブロッカーといえばガスターという位に使用頻度が高いのですが、患者さんの個々の状態に併せて薬剤を変更していることもあります。

 

ご自身の飲まれている薬剤の参考になればと思います^_^

 


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