【デパスとアモバンの処方日数制限について】:対応が求められそうですね※追記有り
こんにちは!Ph.塩です。
今回は「デパス、アモバンの処方日数制限」についてです。
デパス、アモバンがどういったお薬かと言うことに関しては以下の記事に以前書きましたので参照してください。
1.処方日数制限の経緯
2.今後のとるべき対応
デパスの処方日数制限がかかること、アモバンの処方日数制限がかかる事のタイミングは今秋くらいからと言われています。
いままではデパスもアモバンも処方する日数に制限はなく99日でも処方は出来ていました。このおかげで患者さん達は一度薬をもらえば何度も病院に行く手間を省くことができていました。
デパスはmade in japanの薬剤であり、国産の薬剤になりますのでひょっとしたらそういった事情で処方日数制限がかかることが遅れたのかもしれません。
向精神薬の中でも最も乱用されている現状を考えるとこの措置は非常に大事なことなのかもしれませんね。
しかしアモバンの処方日数制限は少し謎がありまして、なんとアモバンを改良して苦みを無くした薬剤であるルネスタというお薬は処方制限がかからないという話になっています。
これには首をかしげてしまいますね。ほぼ同じお薬で苦みが無いくらいしか大きな違いがありませんのに、なぜこのような違いがあるのでしょうか?
その理由はわかりませんが、アモバンに処方日数制限がかかっているのにルネスタにはかかっていないという状況は長続きしないと私は思います。
ほぼ同じ成分ですし、ちょっと理由がつけられませんからね。
処方日数制限のかかっている薬剤は他にもありますがどうしてもヒューマンエラーとしてDrが処方を法律で定められた期間を超えて処方してしまうこともあります。
数百種類の中から薬を選んで大勢の患者さんに処方しているのでこれはどうしても避けられないことです。
そのためにも薬剤師がいるのですが、これも人間のやることですのでごくまれにどうしても処方日数制限を超えた薬が監査をすり抜けられてしまうこともあります。
しかし現在の電子カルテシステムは非常に優秀で、システムによっては自動で処方日数制限をかけてDrが法律で定められた規定の日数を超えて処方できないようにする事も可能となっています。
ただこれもシステムによって出来ないものもありますし、各医療施設のポリシーによってそういったことをしないという施設もあるでしょう。
そういった場合、薬剤師や医療事務部の連携が非常に大事になってきます。
ですがデパスやアモバンのように多くの人が使用している薬剤で処方制限がかかった場合には自動的に処方制限出来ない場合、監査にかかる時間が増えることは必須でしょう。
その対応を上手にやることが今後の鍵になってくると思います。
追記:
当院ではDrからの処方を受け取った薬剤部は処方日数を監査してDrへ疑義紹介しています。
本来の責務としては処方日数制限を超えた薬剤の処方の問題は医療事務部と診療部の連携で成り立ち、薬剤師はそういった点の監査は行わないのが通常でしょう。
ですが先に処方の情報を受け取る薬剤部が医師に直接処方の変更を依頼してるのが通常です。
医事が医師に連絡する場合、薬を作り始めている薬剤部に連絡することとなるため手間も多いでしょう。
ですがアモバン、デパスのように大量に処方されている薬剤を監査することはなかなか業務量が増大するため、システム的にアラートが出たり処方制限のロックがかかるようにすることがベターだと考えています。
それには各部署の了承と技術的問題点を解決していかなければいけませんね。