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【飲み合わせ】:相互作用ってどんな種類のものがあるの??

こんにちは!Ph.塩です!

今回は「薬の飲み合わせ、食べ合わせ」についてです。

食べ物でもこれとこれを組み合わせるとおいしく感じる、これとこれは相性が良くないな、といった事がよくありますよね。

一緒にたべない方がいいといわれている食べ物のことを「合食禁」といいます。

同じ体に取り入れるものとして薬もそういったものがあります。

また薬は体に入ってから特定の場所に特定の物質が、特定の酵素によって分解される必要があるため特に一緒に体の中に共存する物質について細かく注意する必要があります。

今回は代表的な組み合わせ例と、薬の効き目が変わってしまう原因を紹介していきます。


目次

・タバコとの併用について

・グレープフルーツジュースとの併用について

・カフェインとの併用について

・薬同士の飲み合わせについて

・アルコールとの飲み合わせについて

・サプリメントや食品との飲み合わせについて

・相互作用まとめ

 

タバコとの併用について


薬を使用して患者さんと一緒に体調を確認していると、こんな経験をしたことがあります。

薬がかなりの効果を示し、問題になっていた症状が減り日常生活の自由度がとても改善してきたと思ったら、またしばらくの後に症状が出てきてしまいました。
この方は精神科疾患であり、外出ができていたのができなくなってしまったという形でした。
外出をしたことが何か原因だったのかな、と考えていたらどうも外で食事などをした後にタバコで一服していたようです

タバコは肝臓の特定の酵素を誘導してしまいますので、その酵素によって代謝されている薬を飲んでいる場合はタバコによって誘導されてきた酵素によってどんどん分解されてしまいます。

 

これによって普段飲んでいる薬が突然効き目が悪くなってしまったんですね。

もちろんすべての薬がタバコの影響を受けるわけではありません。
またタバコを吸っている状態で薬を調節していれば問題になることはありません。

この方のように突然タバコを吸い始めたり、急にやめたりすることが体内の薬の量に影響を与えるのです

タバコは良くない面を取り上げられますが、吸う、吸わないというのは個人の自由です。


ですが、急に吸ったり吸わなくなったりすると薬にも影響がある可能性があることは知っておいた方がよさそうです。


グレープフルーツジュースとの併用について


よくお薬の説明にグレープフルーツジュースとの併用によって薬の効き目が変わるという記載があると思います。


これもタバコと同じく肝臓の酵素を誘導してしまうことが原因なのですが、正直に言って臨床の現場でグレープフルーツジュースが原因で薬の効き目が体調に表れた症例を経験したことはありません。


これはそこまで大量にグレープフルーツジュースを飲んでいる方も少ないからかもしれません。

もし実家がグレープフルーツジュースを栽培している農家だったりしない限りはあまり気にする必要はないのかもしれません。


カフェインとの併用について


コーヒー、紅茶、コーラなどが薬の吸収を妨げる例があります。
意外とこれは重要な影響を与えることが多いですが、対象が向精神薬に多いからかもしれません。

カフェインのおかげで目がさえた!と思っていたら今度は向精神薬の効果が薄れてきた、では何のためにコーヒーも薬も飲んでいるのかわかりません。

特に血中濃度をある範囲で抑えたいというお薬は向精神薬の中には多くありますので、カフェインを摂取する際には自分の飲んでいる薬剤をしっかり確認し、ひょっとしたらと思ったら医師、薬剤師に確認してからのほうがいいかもしれません。


薬同士の飲み合わせについて


最も問題となることが多いのはこれだと思います。


タバコ、グレープフルーツなどのように肝臓の酵素を誘導、阻害する薬剤は大量にあり、ある薬がある薬の血中濃度を非常に上げたり、下げたりすることもあります。


また鉄やマグネシウムのようなミネラルの入った薬剤と、特定の抗菌剤との飲み合わせは物理的に結合し、効き目が悪くなってしまうという薬の構造に起因するものもあります。

薬の飲み合わせはここで書ききれるものではないので割愛させていただいますが、
気になる方は自分の飲んでいる薬をすべて薬剤師に話してそれぞれを確認してもらうことがいいでしょう。

 

多くの薬を飲んでいる方や、病院や薬局を2つ以上のところにかかっている方は特に確認してもらうことをお勧めします。

また、高齢の方、腎機能や肝機能が落ちている方、そのほかの検査値が変化している方は普段は問題なく飲めている薬も薬同士が喧嘩しだす場合もあります。


入院していればしっかり医師、薬剤師に確認してもらえますが、もし外来で薬をもらっている場合は自分の体調や検査値もチェックしてお薬を飲みましょう。


アルコールとの飲み合わせについて


基本的にアルコールは薬の効果を高めてしまいます。


たとえばリリカという薬は神経を鎮めて神経性の痛みをとる薬なのですがアルコールと一緒に服用すると効果が強くなってしまうことがあります。


たまに「効果が強くなるなら良く効いていいじゃない」という方もいますが、これはとんでもないことで、コントロールしていない薬の効き目というのはどうなるかわかりません。

主作用が強くなれば確かに「よく効く」ということになりますが、副作用が「良く効いた」場合にはリリカの副作用であるめまい、ふらつき、頭痛などを強めるかもしれません。


しかもこの薬は飲み始めて1週間ほどかけて徐々に血中濃度が上がってくるタイプの薬なので、朝だけ服用しているから夜にアルコールを飲んでもいいというわけではありません。

普段からアルコールを飲んでいる方はやめることが非常に辛いかもしれませんが、やめた方がいいでしょう。

 

一例としてリリカを挙げましたが、これはすべての薬に言えることです。

他にも向精神薬を飲んでいる方は、体の中で向精神薬が結合する部位とアルコールが結合する部位が近いことがあります。


向精神薬は効き目に影響が出た場合に日常生活にとても影響を与えるので服用中は特にアルコールは控えた方がいいですね。


サプリメントや食品の飲み合わせ


これも色々な薬の説明に書いてあるかもしれませんが、「セントジョーンズワート」という成分は非常に多くの薬の代謝に影響を与えます。


セイヨウオトギリソウというものに含まれている成分なのですが、お薬を飲んでいる場合には控えた方がいい事も多いです。

それでもセントジョーンズワートを使用する際には自分の飲んでいる薬を専門家に確認してから使用するようにしましょう。

また食品で代表的なものは納豆、クロレラなどのビタミンKを多く含むものとワーファリンです。


ワーファリンはビタミンKと拮抗して血液の凝固を阻害し、血液をサラサラにすることによって血栓ができないようにする薬です。

ビタミンKと拮抗しているのにビタミンKを摂取したら効果は弱くなってしまいます。


ワーファリンは血液検査でINRという指標を用いて使用量を細かく設定していますのでこういうことをしてしまうと薬の効き目が足りなくなり、血栓ができる可能性が高くなってしまいます。

もしお医者さんにこういった食品を食べていることを言わなかった場合、お医者さんはワーファリンの量を増やすかもしれません。
その後こういった食品を食べなくなったら、増えたワーファリンに対してビタミンKが減ってしまい、薬が効きすぎてしまうことになります。


その場合、血液がさらさらになりすぎて出血リスクが高まってしまいます。

このように食べものと特定の薬との飲み合わせも問題になることがあります。

相互作用まとめ


あれもだめ、これもだめ、というとなかなか生活自体がしにくくなってしまうかもしれません。


ですがほとんどのお薬というものは自分の生活を人為的に補助するものです。飲む必要がなければ本来飲まないにこしたことがありません。

それでもお金を払って手間を惜しんで使用している限りはしっかりと体に効かせたいものですよね。


せっかくお薬を飲むならば自分が現在飲んでいるお薬を把握して、100%の効果を発揮できるように気をつけたいものですね!

 

お薬の効き方についてはこちらも参照してくださいね☆

 

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