薬剤師は伝えたい!

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コラム:修羅場一歩手前

こんにちは!Ph.塩です☆

 

今回は「コラム~修羅場一歩手前~」です。

 

様々な職業でその職業ならではの緊張した瞬間があると思います。

 

私が勤めています病院の薬局や病棟では様々なドラマがお薬を巡って毎日起こっています。


その一部を紹介できたらいいなと思いましてコラムを書いてみます。

 

夫婦仲の危機?

 

私の勤務している病棟では患者さんに入院と共に普段飲んでいる薬を持参するようにお願いしています。


これは普段飲んでいる薬を継続して使用しなければいけないこともあったり、手術をするならその手術の前に止めなければいけない薬があったりするのでそれを確認し、入院後の薬の使用を管理するためです。


そしてこのお薬のバラエティ豊かなこと...


普通は近所のお医者さんの薬や当院の薬の持ち込み薬が多いのですが、謎のサプリメント、宗教的な薬、海外の薬(英語でもないので全く読めない)、などなどを持ち込んでくる患者さんは多いです。

 

またビニール袋にすべて突っ込んで管理している患者さんの場合、配水管の洗浄剤や洗剤、あめ玉なども一緒に渡してくれる場合もあります。

 

こういうところで誤飲などが起こるのかなぁと思いながら患者さんに薬以外はその場で返却するのですが...

 

ある日、入院してきた患者さんのベッドサイドに行き、普段飲んでいるお薬をもらいに行きました。

 

ベッドサイドでは50代の男性の患者さんとその奥さんが仲の良さそうに談笑しており、そこに患者さんが普段飲んでいるサプリメントや健康食品、薬やアレルギー歴、副作用歴などを尋ねに行きました。


今回の患者さんは海外渡航歴もあり、出張の多いご職業の様子。


患者さんは「薬を全部持ってきたよ~」、と袋を差し出してくれるので中を見ると薬以外にも手帳やメモ用紙など様々な物が入り乱れて入っていました。

 

「薬以外はお返ししますね~」と手帳をつかんで返そうとするとなにやら手帳に錠剤らしき物が挟まっている感触がある。

 

「ん??」

 

と思い中を見ると大きな緑色の錠剤が。


そして英語で「kamagra」と書いてある。確かこれは....


「ちょっと待っててくださいね、すぐに戻りますので」とその場を引き下がって調べてみると。


バイアグラと同じ成分ではないか!


kamagraはインドの会社が作っている薬で、家でもインターネットで購入できるお薬です。

 

いや、それはそれで個人の自由で服用してもらっても全くかまわないし、普段なら何も思わないんですが....

 

ひょっとすると奥さんのいる前で薬の確認をしていたら大変なことになっていたのでは!?


しかし奥さんはなかなか旦那さんのベッドサイドから離れない...


ちなみにバイアグラはその効果ばかりが注目される薬ですが、副作用や相互作用の多い薬で使用状況を確認する必要がある薬です。
特に心疾患のある方は血流が陰部にとられて心血流量が減り、激しい動悸が起きる可能性もあります。この方も狭心症があり使わない方がいい方でした。


うーむ、困った。

 

と、悩んでいると丁度その患者さんの担当の看護師さんが。

 

看護師さんの非常に熱い野次馬根性ご協力により患者さんから奥さんを一時的に引き離すことに成功し、患者さんのところに薬を持って行く私。


「このお薬って覚えあります?」

患者さん「うーん、わからないな、なんだっけこれ」

「これはインドの会社のバイアグラです。今も使っていますか?」

患者さん「あ~!これはいけないね。使ってないけど、気を遣ってくれてありがとう」

「いえいえ、大丈夫です。使ってないなら処分しても良いですか?」

患者さん「いいよいいよ、というか、お礼にあげるよ。」

「いりません笑」


やはり危ないところでした。

 

もし皆さんもこっそり飲んでいる薬なんかがあった場合には自分が病気になったりケガをした場合にばれないようにしておきましょう...笑

 

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