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【睡眠薬】:眠れない時はどんなお薬があるの?

 

こんにちは!Ph.塩です!

 

今回は「睡眠薬について」です。


みなさんは睡眠薬についてどのような印象を持っていますか?

 

・眠れるようになる薬
・精神科でもらう薬
・睡眠薬に頼るようになったら終わり
・犯罪に使われてそう

などなど...

 

様々なご意見があると思います。今回は

 

1.睡眠薬はどんな種類があるの?
2.睡眠薬に頼るようになったら終わりなの?

 

ということを書いていこうと思います

 

1.睡眠薬はどんな種類があるの?

 

主に以下のような種類があります。

 

1.ベンゾジアゼピン系睡眠薬(デパス、ハルシオン、ロヒプノールなどなど)
2.非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(マイスリー、レンドルミン、アモバンなど)
3.バルビツール系睡眠薬(ベゲタミン、フェノバールなど)
4.抗ヒスタミン薬(アタラックスP、市販ではドリエルなど)
5.その他の睡眠薬(ロゼレム、ベルソムラや非定型向精神薬など)

 

ひとつひとつ見ていきましょう☆

 

1.ベンゾジアゼピン系睡眠薬

この薬の効き方などは以下のデパスの記事に詳しく書いていますのでご興味があればご覧ください。

 

デパス(向精神薬) カテゴリーの記事一覧 - お薬とサプリメントを根拠を持って検証する薬剤師による総合健康サイト!


ベンゾジアゼピン系睡眠薬は催眠作用の他に抗不安作用や筋弛緩作用も含まれる物もありますので体調や日々の生活リズムを考えながら総合的に考える必要があります。ですが症状にうまく合致したときはこれほど安全に、かつ効果的に使用できる睡眠薬もありません。

 

2.非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
最も多く使われている睡眠薬でしょう。病棟でも夜眠れない患者さんにもよく使用されています。

 

効果発現が非常に速く翌日まで眠気を引きずらない、また催眠作用以外の作用がとても弱いので純粋に眠れない患者さんに対してはとても使用しやすい薬剤ですね。

 

3.バルビツール系睡眠薬

こちらのお薬は一般的に使用されません。バルビツール系薬剤は作用が強く、安全に使用できる体内濃度と中毒になってしまう体内濃度の差があまりないため慎重に使わないとすぐに中毒になってしまうからです。


もちろんその作用の強さはしっかり使用すればとても良い効果を生みます。OPE中の麻酔やICUでの睡眠薬としてもとても重宝しますね。

 

4.抗ヒスタミン薬
とても一般の方が手に入れやすい薬です。ドラッグストアなどで販売されている睡眠薬はほとんどこれでしょう。抗アレルギー剤の副作用の一つに眠気という項目があります。皆さんも花粉症などの薬を飲んだ後に眠くなった経験がありませんか?

 

そういった副作用を抗ヒスタミン薬は利用しています。

副作用については以下の記事も参照してくださいね☆

 

【副作用について】週刊誌やテレビの言うことは信じていいのでしょうか? - お薬とサプリメントを根拠を持って検証する薬剤師による総合健康サイト!

 

入院中の患者さんにも経口の内服が出来なくて上記の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬を使用できないときには点滴でこの種類の睡眠薬を使用することがあります。

 

5.その他の睡眠薬

体内の朝と夜を適切に感じる概日リズムというシステムに作用するロゼレム、どうしても眠くなってしまうというナルコレプシーという病気の患者さんの脳内物質から開発されたベルソムラなどがあります。

 

これらは通常上記のベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などが使用できない場合に使用します。また、昼夜逆転でお昼にも寝てしまって困る!という患者さんにも処方されることがあります。


以上の睡眠薬が日本では一般的に使用されており、使っている方も多いのではないでしょうか?

 

2.睡眠薬に頼るようになったら終わり!?

 

答えは「No」です。

 

睡眠の必要量は質は人それぞれでどれだけの睡眠がないとダメということは言えません。

 

ですが何かの拍子に眠れなくなりその人にとって十分な量の睡眠を確保できなくなることは全く珍しいことではありません

 

そういった時に一時的に睡眠薬を使用して日中の元気を取り戻すことはとても大事になります。

 

確かに上記の睡眠薬は大量に服用したり、用法用量を守らずに使用する事で中毒になる可能性は十分にあり得ます


ですが、そういった無茶をせず決められた用法用量を守れば中毒になることはあり得ません

 

また連用によって耐性が出来てしまうことがあり、大量服薬をしなければ眠れなくなるという恐怖心を持っている患者さんも多く見えます。

 

耐性が睡眠薬によって出来ることはあり得ないわけではないですが、そういったときは単純にお薬を変えれば良いのです。


例えばマイスリーを飲んでいて効かなくなってきたらレンドルミン、レンドルミンで効かなくなってきたらアモバンというようにお薬を渡り歩くことで耐性形成は避けることが出来ます。

 

このようにお薬上手に使い分けることで安全に、また効果的に睡眠薬を使用できますので医師、薬剤師にしっかり相談しながら使用しましょうね☆