【接触性皮膚炎】:Tシャツ一つで大やけど?神奈川県茅ヶ埼市で起こった事例では。
こんにちは!Ph.塩です。
今回は「接触性皮膚炎」について書いていきます。
まずは以下のFNNニュースをご覧ください。
神奈川・茅ケ崎市で開かれたマリンスポーツの大会で、主催者側が配布したTシャツを着た選手らが皮膚の炎症を訴え、1人が入院していたことがわかった。
10日、茅ケ崎市の海岸で開かれたボードの上に立ち、パドルをこぐ「スタンドアップパドルボード」の国際大会に参加した選手ら、少なくとも24人が、
主催者側が配ったTシャツを着たところ、皮膚のかぶれや、やけどのような症状を訴えた。
このうち、男性1人は救急搬送され、入院したという。
大会参加者は「大会当日、このTシャツが配られて、海に練習に入って出てきましたら、Tシャツがぬるぬるしていたのと、すごい大やけどを負った人って、
こういう痛みなのかなっていう痛みで、ここ(腰)はまだ熱も帯びていて、すごい痛みが襲ってきます」と話した。
大会の主催者側は、Tシャツを製造した際に残った薬品が原因の可能性があるとみて、配布した363枚の回収を急いでいる。
警察は、主催者側と製造元の業務上過失致傷も視野に、捜査を進めている。
Tシャツ一枚を着ただけで「ぬるぬるした感じ」や「大やけどを負った」ということはあるのでしょうか?どういうことなのでしょう?
今回はそういった事件を踏まえて「接触性皮膚炎」について書いてい行きます。
1.接触性皮膚炎は実はいつも起こっている?
2.今回の接触性皮膚炎のニュースでは
皮膚に触れた物質が肌に刺激をもたらすこと、もしくは肌が触れた物質にアレルギーを起こすことによって皮膚が荒れたり、炎症を起こして赤くはれたりするものが接触性皮膚炎といいます。
実はこういったことは絶えず起こっていて、気がつかないだけで我々の周りの空気のちりやほこりなどの物質によっていつも肌は炎症やアレルギーと闘っているのですね。
気がついたらいつの間にか肌がはれていたり、炎症が起こっていることがありませんか?
体調が悪い時、睡眠不足などで体が弱っているとき、疲れて免疫力が落ちているときなど様々なタイミングはありますが、何かが肌についてそれで炎症が起こる、というのはよくあることなのです。
特に夏には肌の露出が増え、体の皮膚表面につく物質も増えてきますので注意が必要となってきます。
たとえば山に入る時などに長袖長ズボンを推奨されているのは、転んだ時のけが防止と虫刺されの意味以外にも山の中には接触性皮膚炎を起こす植物などがたくさん自生していることも理由の一つです。
ほかにも時計バンド、アクセサリーなどが皮膚につくことで接触性皮膚炎をおこすことがあります。
特に汗をかいていると金属は皮膚に浸透されやすくなりますのでより症状が重たくなることがあります。
また日光を浴びることによってその炎症が促進されることもあります。日光は様々な化学反応を促進する効果があるので、少しの炎症反応が日光によってどんどん悪化することもあるのです。
このように接触性皮膚炎は意外と私たちの身の回りにあふれていることなんですね。
「Tシャツを製造した際に残った薬品が原因の可能性がある」ということが主催者側からの見解ですでにでていますが、その通りだと思います。
その中でもPH(酸性度)の異なる薬品が付着しており、水に触れることによって溶け出し、皮膚を冒していったと思います。
水酸化ナトリウムなどのように強いアルカリ性をもつ薬品だったり、次亜塩素酸のように強い酸性を持つ薬品は非常に強く皮膚をただれさせ、まるでやけどをしたような傷跡を残すことがあります。
今回Tシャツに付着した成分がなんなのかは現在調べている最中だと思われますが、おそらくそのように酸性度が極端にアルカリ性か酸性のどちらかに傾いているのだと思います。
また「ぬるぬるした感じ」というのも、このような酸性度が違うものを触った際に皮膚が溶けた時に良く起こることです。
皆さんはお風呂でよく使うカビキラーを手で直接触ってしまったことはありませんか?
あのカビキラーの中身は次亜塩素酸なのですが、あれを触ってしまった時にも指先がぬるぬるすると思います。それが今回同様に起こったのでしょう。
指先だけならいざ知らず、それが全身に起こってしまったと考えると本当に痛ましいことです。
被害にあわれた方々の皮膚に後遺症が残らないことを切に願います。
アレルギーについて以下にも記載していますのでぜひご覧ください