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【夏の痒みについて】:どうして夏も痒いのか?その原因と対策とは。

こんにちは! Ph.塩です!

 

今回は「夏のかゆみ」についてです。

 

夏は冬よりも空気が乾燥していないし、むしろ湿度が高いから痒み対策はあまり必要じゃない、と思っていませんか?

 

現在痒みに悩まされている人は身をもって体験していると思いますが実は夏にも痒みが強まる原因が色々あるのです。

 

今回はそんな夏独特の痒みの原因についてクローズアップしていきます。

 

ちなみに私もアレルギー性のアトピーに悩んでおり、冬よりも夏に困ることが多いんですね。とくに椅子に座っていることが多いので背中~おしりにかけて汗によって痒みが起きている気がします。

 

今回はそんな私もオススメする痒み対策についても書いていきますので痒みに悩まされている方は必見ですよ!

 

目次

・夏のかゆみの主な原因

・夏のかゆみに対する基本的な対策

・保湿剤などを利用して上手なスキンケアを!

・夏のかゆみのまとめ


 

夏のかゆみの主な原因

空気の乾燥していない湿度の高い夏ならではの原因で痒みは増悪します。

 

それは主に下記の原因だと思われます

 

【汗】
汗には痒みを起こす物質が含まれています。またこの汗が汗腺を詰まらせて炎症を起こしたりすることもあります。
更に気温が高く汗はすぐに乾燥するので、汗によって凝縮された汚れやほこりが皮膚にこびりつき、痒みを引き起こすこともあります。

 

【エアコンによる空気の乾燥】
エアコンから出てくる風は乾燥した空気のかたまりです。
冷房の効いた部屋は思ったよりも乾燥しがち。皮膚もどんどん乾燥していき、バリア機能が失われていきます。

 

【紫外線】
紫外線は体の免疫機能を弱める力があります。これにより、皮膚表面についたほこりやアレルゲンに対する抵抗力が弱まり結果として痒みを生み出します。もちろん痒みに対する敏感肌は日焼け自体も痒みの原因になります。

 

【虫さされ】
意外と虫はそこらじゅうに潜んでおり、そのひっかき傷が痒みをよび、またひっかくという負のスパイラルを生み出すことも。
蚊などのわかりやすい虫だけではなく、ダニなどの目に見えない虫にも気を遣いましょう。

 

夏のかゆみに対する基本的な対策

 

前述の痒みに対して薬物治療を行うことも大事ですが、それよりも先に基本的で重要な対策があります。

 

【汗による痒みの対策】
とにかく清潔にすることです。シャワーをこまめに浴びて皮膚からしっかり汚れなどを落としましょう。

 

ただしここで重要なのは35度以下のぬるい(冷たいくらいの)シャワーを優しく当てながら流すことです。

38度以上の熱いシャワーは皮脂を取りすぎてこれもまたバリア機能を損なう原因にもなりますし、熱いシャワーを浴びた後は非常に乾燥するのでこれも痒みを呼ぶ原因となります。更に、体は熱さという刺激により炎症をどんどん呼んでしまうので、ぬるいシャワーによって炎症を悪化させないようにしましょう。

 

またボディソープなどを使用する時には優しく泡立てて使用し、決して掻くように皮膚をこすらないでください。

痒みが強い箇所に熱いシャワーを当てるととても気持ちが良いという方もいらっしゃいますが、これは炎症を非常に悪化させるので本当に止めた方が良いですよ!

 

 

【エアコンで乾燥することによる痒みの対策】
エアコンを消すことはおすすめしません。今夏は特に熱いですので熱中症の対策も必要です。

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乾燥した部屋にいることは仕方がないとすると、加湿器を使用するか、保湿剤を塗りながら水分補給をしっかりすることが重要になってきます。
少なくともエアコン直下にいることは痒み以外にも自律神経の失調などを起こす可能性がありますのでやめましょう!

 

【紫外線対策】
様々な対策がありますね。日焼け止めクリーム、日傘、サングラス、長袖などなど...
最も効果的なのは日傘です。特に傘の内側が反射しないように黒っぽいデザインになっている物を使用しましょう。


個人的な意見ですが男も日傘をした方が良いと思うんですよね笑

 

【虫さされ】
蚊などの目に見える虫に対しては長袖を着たり、虫除けスプレーを使用したりして対策しましょう。


ですが自宅では掃除が最も重要です。ダニなどは掃除機によって駆除することは難しいですが、髪の毛や埃があるところに多く潜んでいます。ダニが増える原因をとにかく無くしましょう。

 

目安は畳一畳分に1分掃除機をすることだそうです。結構大変ですが効果がかなりありますよ☆

 

【その他の基本的な対策】
・爪を切り、ヤスリで丸くしておく。
以外と無意識に掻いているものです。掻いたときのダメージをより少なくしましょう。

 

・痒いところを冷やす
出来ることなら痒みを感じたら冷水や保冷剤で冷やしましょう。保冷剤は直に皮膚にあてて痒いという感覚も麻痺させるくらいに冷やすことをおすすめします。

 

・十分な栄養
体は栄養が足りず弱ると免疫機能が下がります。またビタミンAやEなど特定のビタミンは皮膚のバリア機能を保つ事に役立っています。緑黄色野菜をしっかり取りましょう。

 

・十分な睡眠
睡眠不足は自律神経を乱し、全身の血流も悪くさせます。こういった状態では痒みは強く起こり、さらに起こった痒みが治るまで時間がかかりますのでしっかりと睡眠は取るようにしましょう。

 

・ストレスを出来るだけ少なく
これは特に難しいと思いますが、リラックス出来るような時間を取るようにしましょう。緊張状態が続いては体も痒みに負けてしまいます。

 

保湿剤などを使用して上手なスキンケアを

 

上記の基本的な対策をある程度行った上でスキンケアを行い、痒みをしっかり予防していきましょう。

 

皮膚の一番外側は何層もの角質細胞が積み重なった状態をしています。
ここには外の刺激から皮膚を守る「皮脂膜」、確執細胞の隙間で水分を保つ「セラミド」、また水分を閉じ込める「天然保湿因子」という保湿の三大因子があります。

 

これらが崩れると角質は目の粗いザルの様になり水分が逃げて乾燥してしまいます。

 

この保湿の三大因子の手助けをしてくれるのが保湿剤というわけです。

 

乾燥肌対策にはまず保湿剤を使用します。保湿剤は下記の種類があります。

 

・軟膏:油脂を基本的に使用しており、皮膚表面に油膜を作って水分の蒸発を防ぐ
・クリーム:角質の保湿成分を補う。さらさらしていて軟膏よりべとつかない
・ローション:ほぼ液体でありクリームよりもさらさらしていて使用しやすい。また頭皮にも使用できる。

 

これらの保湿剤の中で使いやすいタイプを選びきちんと1日のうちに何度も塗り続ける事が大切です。

 

またどんな保湿剤を使用していても塗り方を間違っていては綺麗に塗れません。
下記の要領でしっかり塗りましょう

 

1.手を清潔にしてから保湿剤を手に取ります。手のひら2枚分の面積に人差し指の第一関節から先端くらいまで使いましょう。
2.保湿剤を数カ所に点々と置きます。一カ所に出すとムラが出来てしまいます。
3.手のひら全体で優しく塗りましょう。このときにはしわの方向に塗りのばすことで皮膚に浸透しやすくなります。

 

このときに強くすり込むと掻いている事と同じですので、優しく塗ってくださいね☆


保湿剤はシャワー後や風呂上がりに浸透しやすく、またシャワー後や風呂上がりには乾燥がどんどん進んでいますのですぐに使用しましょう。


それでも掻いて炎症を起こしてしまったら...


ステロイドなどの炎症を抑える薬を使用する事をおすすめします。


中にはステロイドって副作用が怖い!となかなか使用する事に躊躇する方も多いですが、適切な強さと量のステロイドを使用し、短期間で炎症をしっかり抑えることで
副作用もコントロールしながら使用できます。

 

また、炎症が起こっている状態を長く続けるとその場所が黒ずんだり、後に残ったりしてしまうので恐れることなく早め早めの対策を取りましょう。

 

様々なステロイドが市販もされていますし、病院でももらえますのでしっかり医師、薬剤師に相談して自分の症状にあった塗り薬を使用しましょうね☆

 

夏のかゆみのまとめ


痒み対策は地味な行為が多いです。


そのためか、なかなかしっかり出来ている方は少なくありません。


こんな事を偉そうに書いている私も、職場はクーラーが効いていて、家に帰ればこまめに掃除する時間も気力もありません。
ストレスは簡単には抜けませんし、睡眠不足になることも栄養が偏ることもあります。

 

ですがこういった知識を頭の隅にいれておいて、自分の痒みの原因をしっかり分析しながら出来ることから少しずつ対策していくことが大事なのではないでしょうか。

 

こういった地味な努力が積み重なって結果に結びつくものでして、痒みがあるからステロイドをべたべたと塗る方も多いですが、逆に薬に頼りきりでは痒みから逃れることは難しいでしょう。

 

また夏と銘打って記事を書いていますがこのページに書かれていることは一年を通して有効なことばかりです。

 

是非、今日から実践してみてください!