【イコサペント酸エチル】医療用医薬品からスイッチされたOTC薬の主成分。医療用医薬品同等の効果とその副作用は?
こんにちは、Ph.塩です。
最近はOTC,ジェネリック化の波が止まらないですね~。日本の医療経済もかなり負担が大きくなってきてなんとか医療費を抑えようとしている様です。
特に国民皆保険制度の下では高齢化社会につき保険料で全てをまかなうことは非常に難しいんですね。
そうするとどうなるか...
アメリカのようにお金が無くて医療が受けられない人が出てくるのでしょうか??
少なくとも、病院のお世話にならないことが我々にとって自分のためであり、かつ国のためでもありそうです。
ジェネリック医薬品に関する詳細はこちら↓
なんとか健康でいられる期間を少しでも長くしたいですね!
さて今回検討するのはイコサペント酸エチルです。
医療用医薬品はエパデールという名前でした。
これは魚の油にも含まれていますね。魚の油をとり続けるのは難しいためそれを医薬品化したというお薬です。
目次:
・EPA(イコサペント酸エチル)ってなに?
・副作用として手術が出来ません
・内出血が起こる?
・本当に効くの?
薬効:動脈の弾力性保持、動脈伸展性の低下抑制、血小板凝集抑制、血清脂質改善
副作用:悪心、嘔吐、胃部不快感、下痢、便秘などなど...
薬効の部分。難しいですね。。。
結局簡単に言うと、血管をぷにぷににしてくれて、伸びたり縮んだりしやすくして血液さらさらにしてコレステロール下げてくれますよ。だから血管系の病気のリスクがさがります!
ということですね。
副作用はどれも0.5%未満の方にしか起こりませんのでかなり安全な薬剤とも言えます。
さて、「いい薬だよ!」では終わらない当ブログ。側面も早速見ていきましょう
上にかいた副作用は確かに起こりにくいのですが、更に大きな問題として手術が出来なくなります。
正確にいうと手術の前に中止する期間を作らないといけないお薬です。
イコサペント酸エチルのような血液をさらさらにする力のある薬は、手術前にしっかり辞めておかないと手術中に血が止まらなくなってしまうのです。
これは大きな開腹手術だけではなく歯医者さんで歯の治療をするときや、内視鏡で小さな術創しか作らないときも同じです。
ですので手術をする前には必ずこの薬を飲んでいることをかかっている医療機関の医師、薬剤師、看護師まで伝えるようにしてくださいね!
ただし、本当に出血のリスクが低いOPEの場合や緊急OPE(事故など)の場合は休薬せずにOPEをすることもありますのでしっかり受診した医療機関の説明を聞きましょう。
これも血をさらさらにする力によるものです。
みなさん、体や腕をぶつけて青あざになったりしますよね?
これは内出血といい、小さな血管が体の内部で切れて血が出ている状態なんです。
でもこれは日常的に起こっていて、すぐに治ったりしているんですが上記の通り血が止まりにくいため青アザまで成長してしまうんですね。。。
ですので歯磨きもがりがりやらない、激しいスポーツなどでけがや転倒に注意するなどの対策が必要です。
根本的な問題ですが、少し専門的な用語を解説しながら検討していきましょう。
大動脈の平均の動脈硬化度を示す指標でPWV(Pulse Wave Velocity)という言葉があります。これは大動脈が始まるところから太ももにある大動脈の終わりの部分までの脈拍が伝わる速度です。
この値が大きいほど動脈硬化が進んでいるという考え方でリスクを考慮できます。
動脈硬化を合併している人たちとしていない人たちに分けて、
イコサペント酸エチルを使用した群と使用していない群に分けて5年間観察し1年ごとにPWVを測定した結果は以下の様でした。
「PWVから求めた回帰係数は、対照群に対して動脈硬化群が約1.9倍の高い勾配で推移した。また一方、イコサペント酸エチル群は対照群を下回る低い勾配で推移し、動脈硬化群とは3年目から有意な差(p<0.05)を生じました」
つまり誰がどう見ても3年飲み続けたら動脈硬化のリスクは下がるよ。ということです
イコサペント酸エチルは動脈硬化や高脂血症のリスクを下げてくれる薬の様ですね。さすが医療用医薬品だったこともあります。
上記の様な注意点を守れば体にはすごくいいものです(元々魚の油ですしね)
動脈硬化のお薬はどれもこれも飲み続けて効いてくる物です。
これを飲めば瞬時に全てが解決しますよ、というお薬は嘘ですのでご注意ください笑
またイコサペント酸エチルは血管を助けてくれるといいつつもやはり毎日の食生活には適いません。
しっかり栄養バランスを考えて、脂質の高いものばかり食べないようにしましょうね☆