【医療情報技師】:受かるためには?勉強法と体験記
こんにちは!Ph.塩です!
今回は「医療情報技師」という資格についてです。
かなりニッチな話になってきますが、今後医療の電子化が進んでくる上でとても大事な資格になってくるでしょう。
先日、私もこの試験を受けてきましたのでその勉強体験談を交えて書きたいと思います。
また、今後受ける方がいらっしゃったら参考になるように各試験の雑感なども書いていきます。
ご興味がある方はぜひともお読みください。
目次
1.医療情報技師って何?
2.医療情報技師の実際の活躍の場
3.各試験の概要
4.最後に
医療情報技師というのは院内SEとも呼んでいる人もおりますが、医療の現場と医療のシステムを繋ぐ役割を担うための資格です。
医療従事者は医療の事を中心に学んでいますが、システムトラブルに対応できませんしシステム導入の際の都合もよくわかりません。
システム的に出来ること、出来ないことの予想もつかない事もあるので外注のシステム屋さんに出来ないと言われてもなんで無理なのか理解ができない可能性があります。
逆にシステム屋さんは医療施設で具体的にどのような動線で仕事が進んでいて、どのような部署と部署が連動しているのか、医療の現場のルールは何があるのかと言うことを知りません。
ですからシステム的な常識に照らし合わせると医療従事者はいつも無理難題をふっかけてくるように見えるのかもしれません。
しかし、双方こうして互いの常識で話すわけにはいかず、お互いの意図や本音を翻訳したりしてすり合わせる必要があるのです。
ですから、この資格を持つ人は医療施設と提携しているシステム屋さんだったり、院内のスタッフだったりします。
勉強して試験を受ければ職業に関わらず誰でもとれますし、学生さんも受けることができます。
試験は医学医療(60分)、情報システム(90分)、情報処理(60分)と3つの試験に分かれており、合格点はその年の試験者の平均点によって算出されます。
マークシート試験で大体の問題が5択問題です。
合格率はおよそ3割強で、意外と落ちてしまう方も少なくありません。
私が受験した会場では学生の方も多く見えましたので、確かに臨床の場にでたり実働部分を見ていない方は少し難易度が高いかもしれませんね。
しかし受験料は1万5千円であり、決して安くはありませんのでなんとか一発合格をしていきたいところですね。
ちなみに上記の3科目はそれぞれ独立していて、一つでも不合格だと資格は取れません。
逆に、受かった科目は再来年までその合格は有効です。落ちてしまった場合、その落ちてしまった科目のみ受験すれば大丈夫です。
合格すれば証書が届き、以降は単位を集めて更新して行くことになります。
受験を申し込む場合は日本医療情報学会のHPから申し込みましょう。受験料の納付を忘れていなければ受験票は試験1か月前ほどに届くはずです。
おそらくどの資格もそうですが、資格を取ったからといって翌日からバリバリ働けるわけではありません。
新入社員に教育が必要なように、医療情報技師もシステムに少し詳しい人という位置づけであるだけで、即戦力としては弱いでしょう。
しかし一方で医療情報技師の資格を持たなくても知識があれば働くことができます。このあたりは資格が無いと出来ない行為の多い看護師、薬剤師などの資格と大きく違う点でしょう。
え?じゃあ取る意味ないって?笑
ある意味そうなのかもしれませんね笑
しかし、全員がそうではないですし色々な方がいますが、システムで用いられる用語や常識と、医療で用いられる用語や常識はかけ離れており、システム屋さんはやろうと思えばうまくごまかすことが可能です。
適当に言ったりしても医療従事者は何が真実なのかわからず、信じるしかないですからね。
何度も言いますがこれはごく一部のシステム屋さんの話で、全員がそうとは限りません。
しかし、あまりに頓珍漢な事を言う相手に真面目に話すことが骨が折れるのもわかります。仕事だから仕方が無いですがね笑
そこで、医療情報技師という看板を掲げた人が現れれば何も言わなくても、この人は話がわかりそうと見てもらえます。
下手なことを言ってごまかしたらバレかねませんし、逆にお互いの本音を言い合えてよりよいビジネスパートナーになれそうだとも思うでしょう。
そう言った意味でこの資格というのは役に立つと思います。
また、資格持たなくてもシステム屋さんと対等に渡り歩ける人、院内で困った時に頼られる人はこの資格くらいなら少し勉強すればすぐに受かることができるでしょう。
情報処理
基本情報処理試験より少し簡単になった程度であり、非常に難易度が高いわけではありません。
逆にこの試験に受かる程度の知識があっても現場では自分からは何もできないでしょう。
しかしこの試験に受からない程度の知識では情報担当者としてはすこし勉強不足と思われるかもしれません。
試験自体は60分で、50問です。単純計算で一問1分以上かけられますが、用語の意味を知ってるが知らないかで回答が決まる問題も多いので、時間は余るでしょう。
途中退室も認められていますが、どうせなら最後まで見直しましょうね笑
and〜XOR演算、プログラム言語、PC内装置、外部装置、通信装置、プロトコル、SQL文、セキュリティ、リテラシーなどの問題が出てきます。
試験要項は毎年日本医療情報学会のHPより配信されているのでそちらも参考にするといいかもしれません。
ちなみに私は理系といえども上記のような問題には全くこれまでの人生で触れたことがありませんでした。
こういうものなんだ、こういう世界があるんだ、という感じで勉強していきましたので、正直詰め込んだだけで今後実務で役に立つまでにはまだまだ多くのことを学ぶ必要がありそうです笑
しかし全く知らない話でも内容としてはそこまで多くなく、2ヶ月くらい毎日10分程度時間を取れれば勉強は終わるでしょう。
ネットで調べながら勉強することになると思うので、まとまった時間を土日などに作って勉強することをお勧めします。
情報システム
この分野が私は最も苦手でした笑
しかし試験のタイトルが示すとおりこの分野は医療情報技師の真髄が詰め込まれた内容になっており最も勉強するべきかもしれません。
試験自体は90分で、60問です。単純計算で一問1分半ですが、こちらも用語の意味を知っているか知らないかで回答が決まる問題も多いので時間は余ります。
こちらも途中退室が認められていますが、苦手意識のあった私は最後まで思い出そうと必死でした笑
個人情報取扱い、各種情報ガイドライン、医療施設でのシステムトラブル対応、医療施設での情報リテラシー、各種制度の変革と現行制度の理解などです。
医療系の学校を出ていれば一度は目にしたことがある、そしてなんとなく習った覚えがあるということも含まれています。
こちらの試験は、制度やガイドラインを本気で頭に叩き込むということも大事なのかもしれませんが、世の中の動き、医療施設内の内情や常識を照らし合わせて考えて答えを導くという力も必要になってくると思います。
過去問を繰り返し行い、覚えるべきところは覚えて当日にしっかり考えられるようにしておいた方がいいでしょう。
勉強は2ヶ月で毎日20分程度の時間をとれば終わるでしょう。
こちらもまとめて時間をとって、覚えるところは覚えながら過去問を使って情報システムの考え方に慣れていくといいと思います。
医学医療
医療従事者にとっては最もなめてかかる分野でしょう笑
問題の差が激しく、医療従事者にとっては知らないと仕事にならないような内容から、医療の教科書の隅に書いてあるかもしれないが使う知識ではないような事を問う問題もありました。
いわゆる捨て問がありますので、すべて取ろうとしなくてもいいかもしれません。
試験自体は60分で、50問です。単純計算で1問1分以上とることができますがこれも時間は余ります。また途中退室が認められていて最後の試験でもありこれが終われば帰れるため途中退室する方はかなり多かったです。
検査値、心筋梗塞やがん、脳梗塞などの有名な病気の特徴、臨床試験の種類や統計、保険やDPCのような医療制度などです。
医療系の学校を出ていれば過去問をやって間違えたところを覚える程度で大丈夫だと思います。保険やDPCのように普段業務をしていても触れない分野もありますので
そのあたりを補完するように勉強していけば大丈夫だと思います。
どの分野も、過去問を中心に繰り返しときながら、正解した問題もどうして正解なのか、他の選択肢がどうして正解なのか解説できるようになることが大事です。
くりかえしになりますが医療情報技師はとったからOKという資格ではありません。
資格に合格してから現場で使えるかどうかは知識だけではなく医療従事者とのコミュニケーション能力などの能力も必要になってきます。実務を意識しながら勉強していくことで今後のためになってくるでしょう。
また専門学校などでこの資格をとるようなコースを見かけることがありますが、独学でも十分勉強はできますし、合格は可能です。
私が使用した参考書は医療情報サブノートと過去問集でした。あとは載っていなかったりわからないところはネットで調べて勉強しました。
専門学校は当然として参考書や問題集も数千円しますので、決して安くはありません。
医療情報技師wikiというHPがありまして有志で問題と答えを掲載していますのでそちらを活用してもらってもいいでしょう。
これから受けられる方はぜひとも頑張ってください。
このサイトが何かのお役に立てればと思います。
追記:合格発表が10月11日にあり合格していました。
合格体験記のようなものも記事にしていますのでよければ↓↓