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【市販の睡眠薬について】:その使い方と特徴は?

こんにちは!Ph.塩です。

 

今回は「市販で買える睡眠薬と病院でもらう睡眠薬の違い」についてです。

 

要するに睡眠薬はOTCと医療用医薬品はどう違うの?ということですね。

OTCと医療用医薬品の違いは以下でも書いていますのでご興味があれば参照してください。

 

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しかし睡眠薬の場合にはOTC医薬品と病院でもらう医療用医薬品と具体的にどう違うのでしょうか?


気軽に買える分OTCは手が出しやすいですが、それで効かない場合には困ってしまいますよね。


逆にせっかく精神科にかかったのに眠れなかったらまた通わないといけないし...と悩むところでもあります。

 

今回はそういったお悩みに少しでもお役に立てればと思います。

 

目次
・市販の睡眠薬ってどういうのがあるの?
・抗ヒスタミン薬の種類は何があるの?
・市販の睡眠薬は効果があるのか?
・市販の睡眠薬のまとめ

 

市販の睡眠薬ってどういうのがあるの?

 

市販の睡眠薬は向精神薬の分類に属さない成分のみで出来ています。


つまり眠りに導く効果はあるものの、医療用医薬品と比べて底まで危険性が高くないと判断された物のみが市販されています。

 

この危険性というのは副作用のみならず、乱用の可能性や、譲渡、転売によって社会に与える影響が少ないということも含めた幅広い危険性を考慮されています。

 

そのため誰でも購入できるOTCという形で販売が可能なんですね。

 

そして市販の睡眠薬はほとんどが「抗ヒスタミン薬」という分類の成分で出来ています。

 

私たちの体の中にはヒスタミンという物質が存在しており、以下のような働きをしています。

 

・アレルギー反応を起こす
・目が覚める方向に体を促す(覚醒レベルを調節する)
・食欲を調節する
・吐き気やめまいに関与している


最も抗ヒスタミン薬という分類で皆さんがピンとくるのは花粉症やじんましんのようなアレルギー疾患の治療ではないでしょうか?


このようなアレルギー反応にはヒスタミンが大きく関わっていますので、抗ヒスタミン薬でヒスタミンを抑えることによってアレルギー反応を抑えてくれます。

 

このときにヒスタミンをブロックすることで覚醒のレベルも抑えてしまい、結果として眠気という形で副作用を感じるために起きているんですね。

 

この時、主作用としては抗アレルギー剤、副作用としては眠気となります。


ですが眠気を得るために使用すれば主作用が眠気、副作用が抗アレルギー効果、という事になりますね。

 

主作用と副作用は表裏一体で、使っている人の都合によって有害か有益かが決まってくるんですね☆

 

抗ヒスタミン薬の種類は何があるの?

 

薬の世界では、薬の進化のことを「世代」と呼んでいます。古い物を第一世代、というように呼び、その効果や使いどころを分けています。

 

こういった分類の中では抗ヒスタミン薬は第一世代第二世代で分かれています。
その違いは以下の用になりますね

 

・第一世代は脳に移行するので眠気、鎮静がおきやすい。逆に、吐き気やめまいも治りやすい。
・第二世代は脳に移行しにくいので眠気などの副作用がおきにくい。睡眠薬やめまいの薬としては使いにくいけどもアレルギー症状はよく抑えてくれる。

 

ですから花粉症のようなアレルギー症状を抑えたいときには第二世代抗ヒスタミン薬を使用して、眠気がほしいときは第一世代抗ヒスタミン薬を使用するといったような使い分けが大事になってきます。


ちなみに第一世代の昔からある「ジフェンヒドラミン」という成分を使用したOTCの睡眠薬には以下のような物があります

 

・マイレストS(佐藤製薬)
・ネオディ(大正製薬)
・ナイトール(GSK)
・ドリエル(エスエス製薬)
・グ・スリーP(第一三共ヘルスケア)

 

などです。

薬効成分は同じですが、OTCの強みとして飲みやすくしていたり、味を変えたりしているのでもしこれらの薬を使用する場合は自分が使いやすいお薬を選びましょう☆

 

市販の睡眠薬は効果があるのか?

 

この答えとしては「あります」となります。

 

大規模に大勢の患者さんに対して行ったような試験のデータは無いのですが、小規模に試験は何度も行われています。

 

ただし、使いどころが医療用医薬品と違うところでもあります。
というのは市販の睡眠薬は以下のような特徴を持つからです。

 

・入眠効果のみ(寝入るまでの時間を短くする)
・深部睡眠に影響がない
・軽い睡眠を増やす

 

「寝付けない」という症状の人にとってはとてもメリットを得ることが出来るでしょう。


ただし「ぐっすりできない」、「朝起きてしまう」などのような睡眠障害に対しては抗ヒスタミン薬では対応できない可能性が高いです。

 

睡眠障害の種類に関しては以下の記事も参考にしてください。

 

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また、市販の睡眠薬で効果があると感じられても、すぐに体が慣れてしまう可能性も高いです。


これは耐性といい、より効果を求めるために更に追加投与を行っていくうちに気がついたら大量服薬になっていた、ということもありえます。

 

早い方では数日のうちに薬に耐性が出来てしまって効果を感じられなくなるということもあるそうです。


ですからしばらく使い続けるということがわかっているのならば、市販の睡眠薬でどうにかしようとしない方が良さそうですね。

 

市販の睡眠薬のまとめ


これまでのお話をまとめると以下の特徴が医療用医薬品で一般的に不眠に対して処方される薬と比較した場合に言えるでしょう。

 

・効果は弱い
・安全性は高い
・耐性が出来やすいので長期使用に向かない

 

またOTCの宿命として以下の事も問題点として挙げられます

 

・自分の不眠が本当にOTCの睡眠薬で解決する形の症状なのかわからない

 

医療用医薬品の場合は定期的に病院に通わないと行けないので面倒ですが自分の症状の推移と、薬の使用感をDrと相談できるというメリットが非常に大きいですね。


ひょっとしてその不眠はただの不眠だけではなく、何か別の疾患によるものだった、なんて事があったらすぐに対応してもらえるでしょう。、


ですからOTCの睡眠薬の使いどころとしては「一時的な軽い不眠に対して」となりますね。

 

少なくとも、毎日の生活に支障があったり日中辛い気持ちを抱えているような状態でしたら一度病院などで専門家に相談したほうがいいでしょう。

 

睡眠に関しては以下の記事も併せてご覧ください。

 

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