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【食品、飲み物のカビ】:何の食品がカビやすいのか?気をつける季節は?

こんにちは!Ph.塩です!

 

「食品、飲み物のカビ」についてです。

 

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大塚製薬さんがカビが混入していたとして「カロリーメイトゼリー」など4種類の商品について、約270万個を自主回収すると発表しました。


大塚製薬さんの発表では、先月31日、「カロリーメイトゼリー」を販売していた店舗から「未開封の商品で容器が膨張している」と指摘があったことから、調査の結果カビの混入が判明したそうですね。

 

まず、しっかり発表することは偉いと思いますし、迅速な対応は信頼がもてますね。

 

食品や飲料は菌との戦いであり、これもしょうがない事なのかな、対応をちゃんとしていればいいのではないかな、と私は考えてしまいます。甘いかな?


まぁ、カビも好む程の栄養満点な商品であったということで…ってそんな理屈も通らないか笑

 

しかし、カビって言われるとみなさんどんなものを思い浮かびますか?


よく目にするのはお風呂場や洗面所の隅の方で黒くなったりピンクになったりして存在感を示すあいつらですよね?

 

もちろん、やつらも立派なカビです。食品や飲料にあんな奴らがいたら確かにたまったものではないですね。気持ち悪いです。


しかし、お風呂場のカビと食品のカビは同じものなのでしょうか?カビってどんな種類があって、どんな悪さをするのでしょうか?

 

今回はそんなカビ君の素顔にクローズアップして行きたいと思います。

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目次:
1.カビが発生しやすい食品群ランキング
2.カビが発生しやすい時期
3.カビを摂取するとどうなってしまうのか

 

1.カビが発生しやすい食品群ランキング

 

1位・・・菓子、飲料(28%)
2位・・・パン(10%)
3位・・・野菜果実とその加工品(8%)
4位・・・魚介と魚介加工品(7%)
5位・・・惣菜・弁当(6%)
6位以降は乳製品(5%)、「米と米加工品」(4%)、「麺類」(4%)、「調味料」(2%)、「食肉と食肉加工品」(1%)、「ジャム・ハチミツ」(1%)、「大豆製品」(1%)と続きます。

 

ここで注目したいのはこのランキングを「パンのような加工品」と「野菜の様な加工品じゃないもの」と区別すると苦情が寄せられているのは多くが「加工品である」というデータもあるということです。

 

そりゃそうですよね、野菜に黒い点がついてても包丁でえぐり取ったり、綺麗に洗ったりして対応すると思います。それでクレームをつける人は少ないんじゃないでしょうか。


でもお菓子やパンに黒い点がついていたりしたらそりゃもうどうしようもないですよね。洗えないし交換してもらわないと食べられません。


こういった違いが加工品とそうじゃないものにあるんじゃないでしょうか。

 

2.カビが発生しやすい時期

 

これは皆さん想像がつくのではないでしょうか?

 

そう、カビはじめじめした暑い時期を好みますので「梅雨~夏季」に最もカビが発生しやすいといわれています。

 

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画像出典 01.gatag.net

 

しかし、これに関しては少しおもしろいデータが2つあります。

 

1つは確かに梅雨や夏季にはカビの苦情件数が増えたりするのですが、なんと8月は毎年カビの苦情件数が7月、9月と比べて少なくなるそうです。


この原因としては、カビはむしむしすると発生しやすくなるのですが8月は暑すぎてカビが快適に増殖する温度を超えてしまっている事や、8月は夏休み期間であり企業や学校が普段と違った社会的な活動を行うことが多い事が指摘されています。

 

もう1つは、「苦情は苦情を呼ぶ」ということです。


過去にもカビで問題となり社会的にとりだたされた企業はたくさんありました。こうしてカビの問題が浮上すると、その月はカビの苦情が増加します。


みんなカビに対して敏感になっていると言うことですね。信頼を失ってしまって不安だとも言えます。


ですから現在大塚製薬さんがカビに関連して自己回収した問題の後はカビに対する問い合わせが他の食品に対しても増加する事が考えられます。

 

そして全体的に冬はカビに関する苦情は少なめなのですが、干し芋や干し柿などの秋に収穫して冬に食べるような食品に関しては冬でもカビの苦情が増加するそうです。

 

3.カビを摂取するとどうなってしまうのか。

 

主な副作用は、下痢、腹痛、悪心、嘔吐、発熱、不快感、舌・口・唇のしびれであるそうです。

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症状のごく軽いものから受診に至る事例までを数えると、カビの生えた飲食物を摂取した人の約18%が何らかの症状を訴えているというデータがあります。

 

カビが体内に入って何か悪さをすればその対症療法を行ったり除菌などの対象になりますがほとんどの場合体に備わった自然の免疫機能によってカビは駆逐されます。


ですから食べた食品にカビが生えていたとしても大慌てせず、症状がないかどうかを確認しましょう。

 

またいつどこで何を食べたのか、食べてからどれくらい経ってから何が起こったのかをしっかり書き留めたり覚えたりして、病院にかかる際にはそれをしっかり伝えましょう。それにより対応が異なります。


多くの場合は嘔吐に対する電解質、水分の補充だったり、食べたものを吐かせたりして対応していきますが、すぐに対応してもらうためには詳細を伝えると良いですよ。

 

慌てず、落ち着いて対応しましょう!

 

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データ出展:「カビ汚染による苦情・事 故食品とその喫食による健康被害調査」

 


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