【勃起機能不全改善薬】:福井市の事例。乱用は陰部の切断の可能性あり!?
こんにちは。Ph.塩です。
今回は「勃起機能不全改善薬:福井市の事例」です。
まずは以下の日本経済新聞の記事をご覧ください。
福井南署は14日までに、医薬品医療機器法違反の疑いで、福井市森田新保町、ホテル従業員、高橋正晴容疑者(60)を逮捕した。
逮捕容疑は4~7月ごろ、福井県坂井市内にある勤務先のホテルで、医薬品の販売許可を得ていないのに、ED(勃起不全)薬を含むジュースを製造、販売した疑い。
同署によると、高橋容疑者は統括管理者として、ホテルの業務全般を取り仕切っていた。「勃起薬の成分が入っているとは知らなかった」と供述し、容疑を一部否認している。
ED薬を砕き、ジュースに混ぜたものを作り、男性向けは「大魔神」、女性向けは「女猫」と称して、1杯500円でホテルの利用客に提供していた。大魔神はオレンジ、女猫は乳酸菌飲料風の味だった。〔共同〕
引用ここまで。
この方はこの勃起薬をどこで手に入れたのでしょうか?
しかしここまでリスクを犯して販売する割には500円というのはなかなか大盤振る舞い(?)をしたように思えますね。
もちろん法律で医薬品を許可なく、また医師の処方なく使用することは禁止されています。
しかしこの勃起薬に関しては特に許可なく、医師の処方せんなく使ってはいけない理由があります。
今回はその危険性などを書いていきます。
目次:
1.「勃起薬」の正体
2.勃起機能不全改善薬の乱用は最悪の場合、陰部を切断することになる?
勃起薬というのは俗称であり、正確には「勃起機能不全改善薬」といいます。
勃起をするメカニズムとして、男性の陰部に血液が集まる必要があります。その血流量は凄まじく、私たちが考えているよりも多くの血液を必要とします。
ちなみに、多くの勃起機能不全改善薬とは、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)という酵素の働きを阻害して、血管や尿道の周りの筋肉を弛緩させる事によって陰部の血流をUPさせます。
しかし、バイアグラなどで有名な勃起機能不全改善薬はもともと狭心症治療薬として作られるほどに心臓の周りの血流量に影響を与えます。
そのため、もし心臓に疾患があったり血管系の病気のリスクが高い人がむやみにこの薬を使ってしまうと倒れてしまう可能性があります。
もし今回のように処方もなく、また許可もなくこういった薬を飲んだ場合に何かがあれば、誰も責任がとれませんし、飲んだ本人もなぜ自分がそうなってしまったのかもわからないでしょう。
このような理由で本当に今回の経営者の方がこの薬の「正体」を知らないまま使っていたら、非常に危険な事です。
この勃起機能不全改善薬だけではなく、その他のお薬も同じ事が言えますので、お薬はきちんとしたところできちんとした説明を受けて飲むようにしましょう。
陰部に血流が集まり続け勃起状態が保たれることは、短時間ならまだしも、あまりに長時間なケースは人間にとって想定していません。
この「勃起薬」を飲んで勃起が始まり、その後4時間以上勃起が収まらない場合は陰部の壊死が始まる可能性があります。
ちなみにバイアグラの添付文書(薬の説明書、法的な効力もある)には次のように書いてあります。
4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国市販後有害事象で少数例報告されている。
持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
このような意味でも、医師、薬剤師の説明なしにこの薬を使用することは非常に危険なことなんですね。
もし知らないで他人から購入したジュースを飲んだことで自分の性機能が一生失われてしまったとしたら、本当に怖いことです。
お薬を使用するときは思いもよらない可能性が潜んでいることがありますので、使用するときはしっかり説明を受けてから正規のルートで購入するようにしましょう。
バイアグラなどの開発経緯に関しては以下の記事も参考にしてください↓
また下記に勃起機能不全改善薬に関してのコバナシなんぞを書いております。