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【コラム:薬を守れ!】:高額な医薬品。その防犯対策とは??

こんにちは!Ph.塩です!

 

今回は「コラム:薬を守れ!」です。

 

これは薬局や病院を取り巻く医療用用品に対するセキュリティの問題のお話です。

 

病院の中には高額な機械や器具が並んでいます。中には金額として億をはるかに越すようなものも置いてあり、これらはセキュリティの面でしっかり管理されています。

 

しかし、意外にもこういった高額の機械などは、盗難などの被害にはなかなかありません。


なぜならそれら自体が非常にサイズが大きく、中には重さが何トンもするような機械もあるからです。


その点、医薬品は単価はそこまで高くなくても持ち運びに便利で大量に置いてあるため、盗難に気がつきにくく狙われる可能性が高い物品でもあります。

 

今日はそんなお薬を取り巻くセキュリティについてお話を書いて行こうと思います。

 

目次:

1.お薬ってどれくらい高いの?

2.どのようにお薬は狙われる??

3.犯行は内部からも??

 

 

1.お薬って、どれくらい高いの??

 

お薬は大ざっぱに分けて、注射の薬それ以外の薬に分けられます。

 

値段が高いものは注射の薬に多く、最近話題のオプヂーボに代表されるように1瓶で数十万円、百万円近いお薬も少なくありません。
オプヂーボの値段については以下の記事も参考にしてください。

 

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もちろんこう言ったお薬に関しては帳簿で管理したり、必要時にしか在庫を置かないようにしています。


病院や薬局が薬を買い付けている卸売りの業者さんも大量に持っているわけではありません。

 

逆に錠剤の薬などは単価で言えば注射の薬には遠く及びません。しかしその分毎日服用するものも多いので非常に大量の在庫を持っているわけです。

 

例えば高い薬で言えばサムスカ7.5mgという利尿剤は1錠1280円しますが、これを300錠位は持っていたりする薬局は割とあるでしょう。

 

単純計算で1280円×300で384000円となります。


一つ一つは注射に及ばなくても、数がこれだけあると金額も相応に高くなるんですね。

 

300錠なんて小さめのポーチに入る量ですから、それが40万円近くの値段になるとなると、どれほど盗難に狙われやすいかお分かりでしょう。

 

今は例としてサムスカにお話を限定しましたが、大きな薬局はこのような薬をたくさん揃えているわけです。

 

我々薬剤師を始めとした医療従事者はこういった高額なお薬をしっかりと守る役目も担っているのですね。

 

2. どのようにお薬は狙われる?

 

※ここに書くのは使い古された手であり、薬局はどこも対策がマニュアル化されていることだと思いますので悪用はされないようにお願いします。

 

お薬を狙われるのは基本的に人が少ない夜間になります。お昼は職員はもちろん患者さんでいっぱいですからね。

 

それがわかっているため、薬局は夜勤帯には全ての鍵をロックし、夜間窓口も狭く、薬を渡したりすることが出来る程度の窓口で対応しています。


また進入に併せてガードマン室に連絡が入ったり、監視カメラが至る所にあったりするところも多いです。


しかしそれでも窃盗を企む犯人は、なんとかしてこの夜勤帯の薬局に忍び込みたいわけです。


私が経験したり、聞いた話の中では以下のような事件がありました。


・「ハンカチをを落としてしまった。腰が悪いから拾ってくれ」と薬局の外に薬剤師を出させようとする。
・薬を渡そうとした瞬間に手を掴まれ、引き摺り出されそうになる。
・子供を使って中を見学させてくれと頼まれる。

 

などなどです。

 

怖いですね~。特に1人で夜勤をやっている薬局さんは本当に怖いと思います。

 

私の病院でも様々な対策に加えて院内の警備員が24時間駆けつけられるようになっていますが、それでも上記のような不届きな輩は時折報告されますので注意を怠ることができません。

 

3. 犯行は内部からも??

 

院内のセキュリティと言えば、前述のように外部からの犯行がすぐに思い浮かびそうですが、なんと悲しいことに院内のスタッフによる犯行被害にあう病院さんもあるようです。

 

スタッフだからこそ、どの薬や物品がどれほどの価値があるものか熟知していますし、スタッフカードなどで各部署に出入りも自由だからでしょうか。

 

本来医薬品などの安全運用に責任を持たないといけない立場のものが犯罪に手を染めるのは悲しいことですね。

 

そのため病院によっては出入り口の進入経路のみならず高額の薬が保管してある棚に監視カメラがついていたりすることもあるそうです。

 

薬は使用方法によっては毒にもなり得ます。特に高額の薬に関しては使用方法を間違えると取り返しのつかないことになる薬も多くあります。


こういったお薬に関して専門知識を持つ者は、知識のみならず相応のモラルも身につけるべきでしょう。

 

他にも、高額な薬ではなくも、麻薬、覚醒剤原料などは悪用の危険性が高く、全国的に非常に気を遣って管理されています。


こういった管理の意味と方法を常に考えて私たちは毎日お薬を様々なリスクから管理しています。

 

他にもコラムを書いているのでよろしければご覧ください。

 

 

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