「シダトレン」:減感作療法って何?
こんにちは! Ph.塩です。
減感作療法(アレルゲン免疫療法)をご存じでしょうか?
最近テレビ等で度々出てくる言葉で、聞き覚えがある方も多いかと思います。
今回は特にアレルギー性鼻炎に対する減感作療法について、書いていきたいと思います。
ちなみに私もアレルギーがあり、こういった減感作療法などの治療がもっと昔からあればなぁ...と思います笑
アレルギーは現代病でもあり、ここ20年くらいで急速に理解が深まった印象がありますね~。
花粉症や気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、「アレルゲン」(病気の原因となる物質:抗原ともいいます。)が原因とされています。
アレルゲンが体内に進入すると、ヒスタミンという物質が大量に作られ、それが腫れや炎症といった様々な症状を引き起こす一因とされています。
アレルギー性鼻炎の場合は、くしゃみや鼻汁、鼻づまりが自覚症状として出ます。
従来のアレルギー性疾患の治療は、内服薬では、抗ヒスタミン薬(ヒスタミンが働かないようにする薬)やケミカルメディエーター遊離抑制薬(ヒスタミンなどを増えないようにする薬)が主に使用され、点鼻薬や点眼薬では抗ヒスタミン薬や症状がひどい場合には副腎皮質ステロイドホルモン薬(腫れや炎症を直接おさえる薬)を用いて、症状が出ないようにする治療が行われています。
これが従来のアレルギーに対する治療方法の一つです。
針治療や体質改善など様々な治療方法が提唱されていますが、結局の所こういったアレルゲンとの戦いという点では昔から変わりはありません。
減感作療法は、ごく少量のアレルゲンを長時間かけて体内に入れていきます。
その結果、体はそのアレルゲンに対する感受性(反応)が低くなり、アレルギー反応の予防や、症状の軽減につながります。
以前は、注射が主流でしたが、最近は、アレルゲンによっては、内服(舌下)で投与できる薬もあります。
現在、『スギ花粉』によるアレルギー性鼻炎に対しては、舌の下において薬を体内に吸収させる舌下液として処方することができます。
ただし、これらの薬はアレルゲンを体内に入れるために、場合によってはショック状態を引き起こす恐れがあるので、医師の指示のもと適切に使用することが義務づけられています。
また、薬の性質上、すぐに効果がでるものではありません。通常、花粉シーズンが始まる前から開始し、シーズン後も毎日継続する必要があります。
当院では「シダトレン舌下錠」というスギ花粉の減感作療法の薬剤があります。
これは少し前に14日制限が解除されたのでかなり楽になったそうです。
14日制限というのは新薬や特定の薬剤に関してかかるもので、処方を14日までしか出せないという制度です。
新薬の処方開始後、様子を見たり特定の薬剤を乱用したりしないようにするための大事な制度なのですが、2週間に1日病院に来なければ行けないのはちょっとしんどいですよね笑
いつもの薬をもらうだけなのに個人病院ならまだしも総合病院だと特に1日仕事になってしまいます。
ですからなかなか当院では減感作療法は浸透しなかったところもありますが、この制限が外れて処方日数を伸ばせるようになってからは処方がかなり増えてきたような気がします。
それと服用自体は簡単だと言っても毎日服用しなければいけない事も面倒だという声もよく聞きます。
なんとこの薬、2年間毎日舌の下に入れて飲む必要があるんですね。
しかし花粉症が辛い方はこれを使って花粉症が軽減される事を考えると、面倒なんて言っていられないかもしれませんね。
現在様々なアレルギーのお薬が出てきていますが、アレルギーは体の正常な免疫反応が過敏に起こっている状態です。
体が弱っていれば免疫反応を過敏に起こして体を過剰に守ろうとしてアレルギー反応が強く出たり、不衛生や乾燥状態などによて体がより多くのアレルゲンにさらされていると更にアレルギー反応は強く出ます。
お薬はこういった正常な免疫反応に対して邪魔をしたり、アレルギー反応を起こしにくくするだけなので基本的には良質な食事、良質な睡眠、清潔、保湿などが大事になってきます。
それらをきちんと行った上で辛い症状にはお薬やサプリメントを頼るようにしましょうね☆