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【コラーゲン】ロングセラーとなっている健康食品の代表。果たして効果はあるのか?

こんにちは! Ph.塩です。

 

今回はロングセラーの「コラーゲン」についてです。

 

現在、様々な種類のコラーゲン食品が出回っています。

 

ドリンク、ゼリー、粉末、タブレット等。 これらは「肌に良い」「足腰の痛みによい」「血管の増強によい」等、魅力的なうたい文句で販売されていますね。

 

あたかもコラーゲン食品を食べれば足腰の健康や美肌を保つことができるような錯覚にとらわれます。

 

さて、本当にコラーゲンを摂取すれば肌はきれいになり、足腰は治るのでしょうか?

そもそも、コラーゲンとはどういうものなのでしょうか?

 

目次:

・コラーゲンって何?

・コラーゲンって美肌や関節にいいの?

・なんでコラーゲンって意味がないかもしれないの?

・コラーゲンを摂取するデメリットは

・じゃあ、美肌や関節に良い栄養とは

 

コラーゲンってなに?

 

タンパク質の一種で、アミノ酸が連なってできているものです。

タンパク質の約30%を占めていて、皮膚や骨、軟骨、血管や内臓などほぼ全ての器官に存在しています。

 

コラーゲンはそれらを構成する物質として体に無くてはならないたんぱく質なのです。

 

 

コラーゲンって美肌や関節にいいの?

 

残念ながら、現時点での科学的知見では、コラーゲンを食べても「美肌」「関節」に期待する効果が出るかどうかは不明です。 不明というとわかっていないだけで実は良いのかもしれない、と受け取れそうですが、以下の理由で推奨できません。

 

なんでコラーゲンって意味がないかもしれないの?

そもそも「タンパク質」は、食べたら体の中で「消化・吸収」されます。

 

人間のタンパク質を分解する能力はすさまじく、歯ですりつぶされた物質は唾液のアミラーゼによって分解され、体内でも胃、膵臓、胆汁などによって最終的にはアミノ酸まで分解されます。

 

これによって体内でタンパク質はアミノ酸となって利用できるようになるんですね。 これが食事をして我々の体が出来ていく基本的な仕組みとなります。 この点ではタンパク質であるコラーゲンも同じ事が言えます。

 

つまり体内で他の食品と同じくアミノ酸まで分解されてしまうということですね。 しかし今やいろいろな切り口でコラーゲンが売りに出されていますね。

 

・低分子である

・純度が非常に高い

・量が多い

・飲みやすい

 

前述のタンパク質を分解する課程を考えると、低分子であることは分解の手助けになるかもしれませんが食事から取っても体は最終的にはタンパク質をしっかり分解してくれます 。

 

また純度が高いというのはタンパク質の量が全体の成分量に占める割合が高いということなんでしょうが、それも食品から摂取できます。

 

量が多い、飲みやすいというのも食事ならば多くの種類から好きなだけ選ぶことが出来ます。

 

コラーゲンを摂取するデメリットは??

コラーゲンは、体質によってはアレルギーを誘発する可能性が示唆されており、妊娠中・授乳中にコラーゲンを含むサプリメント (通常の食品以外) を摂取することの安全性については十分なデータがありません。

 

アレルギーの原因は主にタンパク質であり、上記のようなアレルギーを誘発する可能性は全ての経口摂取の物質に関しては考慮する必要があります。

 

これからコラーゲンを試してみようという方はアレルギー反応が起こるかもしれない可能性をまずしっかり考えて使用するべきでしょう。

 

じゃあ、美肌、関節に良い栄養とは

「美肌」「関節痛の予防」を期待してコラーゲンの摂取にこだわるよりも、様々な食品をバランスよく適量摂取し、「栄養・運動・休養 (健康づくりの三要素) 」を見直す事が大切です。

 

この「健康づくりの三要素」こそが、科学的根拠をもって言えることでもあります。

 

特定の成分に偏った食品を摂取する前に、もう一度自分自身の食事や、生活スタイルなどを振り返ってみましょう。