ジェネリック医薬品ってなに?
今回はジェネリック医薬品についてです。
みなさん、ジェネリック医薬品という言葉をご存じでしょうか?
国が普及を初めてしばらくたつので耳にしたことがある、知っている方がほとんどでしょう。
安いから良いやん!とか、ジェネリックにしてから効きが悪くなったわ!という様々な意見を聞きます。
昨今、よく耳にするジェネリック医薬品(後発医薬品)は、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、効能・効果、用法・用量が原則同一で、同等の臨床効果・作用が得られる医薬品です。
難しい言い方ですが、結局有効成分が同じで同じ効果が期待できるけど、薬の特許が切れたので他の会社がお値打ち価格で販売しましたよ!
という事ですね。
今では本当に多くの医薬品がジェネリックとして販売されており、薬剤師としても管理が大変です。
私が所属している病院は1剤1成分を基本としているのでメーカー違いなどの管理の必要はないですが薬局の薬剤師さんはとても大変そうですね。
厚生労働省は、平成25年4月に後発医薬品のさらなる使用促進のための取り組みを進めており、数量シェアを平成29年に70%以上、平成30年度から平成32年度末までの間に80%以上とする目標を定めています。(平成27年9月現在:約56.2%、厚生労働省)
しかし、なぜジェネリック医薬品を使わなければいけないのでしょうか?
国が進めている政策だからでしょうか??
その理由を考えてみましょう。
/>日本は国民皆保険制度であり、みんな病院にいけば何割か払うだけで後は保険料として国や都道府県が払ってくれますよね。
これは本当にありがたいことで、保険制度が無ければみんなが病院にかかるときには多額の医療費を請求される事になります。
例えば1回5000円かかったとすれば3割負担だったら1万6千円ほど支払う必要が出てくるわけです。
ですがこのありがたい保険制度は高齢化社会に伴い、日本の財政をとても圧迫しています。
お金を少しでも浮かせないとみんなに払う保険金が足りないよ~!という事なんですね。
もし保険制度が終わってしまえば皆さんは自分で民間の保険会社にお金を払う必要が出てきます。
もしそのお金も払えなかったら...病院にかかることは難しいでしょう。
そこで、医薬品の値段を何とか安くすることで全体の医療費を少しでもプライスダウンさせようとジェネリック医薬品への切り替えの取り組みが始まったわけです。
ここが皆さんが一番気になるところでしょう。
ジェネリック医薬品とジェネリックではない医薬品(先発品)は同じなんでしょうか?
答えは次の様になります
「効く成分は同じで、安全です。しかし先発医薬品とジェネリック医薬品は完全に同じではありません」
いや~、納得できませんよね笑
言い換えれば、「同じ品種なら、静岡県産のイチゴと、群馬県産のイチゴは同じイチゴだよ」
と言えます。
イチゴはイチゴなので、同じ品種なら育ち方、栄養成分などは静岡県産、群馬県産のイチゴとかわりはないはずです。
ですが食べてみると少し違いますよね?
これを薬に置き換えてみると、同じ作り方で、同じ成分が入っているけどそれでも少し違うということです。
確かに同じ薬効成分を使用しているのですが、薬を作るためには薬効成分の他にも色々な補助剤を入れる必要がありそれらが違うことが多いです。
もちろんその補助剤も使用が認められている安全な物ばかり使用しているのですが、そういった点で同じかと聞かれるとジェネリック医薬品は先発医薬品と比べて少々異なると言えるでしょう。
またジェネリック医薬品は市場に現れて日が浅いこともあり長期的な有効性や安全性を比較したデータが無いことも事実です。
お薬代が安くなることは皆さんにとっても良いことですよね。
また国の財政のためになることも、回り回って皆さんのためになることでもあります。
ですが、ジェネリック医薬品にしたことで効き目が感じられなくなった本末転倒ですよね...
薬学的には効き目は同じはず!とは言えますが、ジェネリックに変えたから効かない気がする、というお気持ちも大事にするべきだと私は思います。
睡眠剤や抗不安剤など、薬に対する信頼性を持つことが大事な薬などは特にその点が大事ですよね。
そういったときには素直に、ジェネリック医薬品は気持ちとしていやだということを医師、薬剤師に伝えてみましょう。
そこでいやな顔をされたらその医療従事者が悪いので、遠慮せずにどんどん言ってみてくださいね☆